この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2025の2日目の記事です。
昨日の記事は悪牛さんの「【3BLD】UFエッジ3-style手順について思ってること、選定理由などを雑に書く」でした。
エッジ3-styleの全手順が書かれているだけではなくパターンによる分類、回し方、参考文献や動画などの"全て"が書かれているとんでもない記事でしたね。コミュテータの本質的な理解度を向上させる効果もありそうです。
今年もド派手に始まりましたスピードキュービングアドカレ、僕もしっかり後に続きたいところです。
明日の記事はうえしゅうさんの「自分のFMCの取り組み方 2025年版」です。
アドカレって、なんとなく前半の日付の方が期日を守っている割合が高い気がします。
遅い日付を入れる人はとりあえずで締切を伸ばしているだけというか(大偏見)。
その代表例が2022年の最終日の私です。
皆様ごきげんよう。noteが2万円分売れて美味しい寿司を食べていらっしゃるでしょうか?佐村健人、通称Sumと申します。
皆様はキューブの「先を読む」感覚、お持ちですか?
この感覚は少分割競技やBLD系の競技と比較すると練度に対して劇的なタイム向上には繋がりにくくて習得が後回しにされがちと言うかなんというか。
指が速い選手がなんとなくソルブするだけで僕の1.2~1.3倍程度のタイムなら普通に出てしまうんですよね。ひどい!僕が家で一度だけ揃った4BLDの記録は日本記録の10倍かかっているというのに。
ともかく、流れるように多分割を回すの、かっこいいですよね?(小林製薬)
できると非常に気持ち良いですよ。全能感で脳汁が出てきます。
ということで今回の記事では、それぞれのキューブの先読みについて自分が実施している読みとか考え方とかをざっくり紹介していきます。他の人の考え方が全然違うかもしれませんが、悪しからず。
あと、立方体はかなり実力が落ちてきていますが悪しからず。
まずは、なんとなく一緒くたに「読み(先読み)」と呼んでいる内容を細かく分類してみましょう。
A:今のパートを回している時に、次は何を揃えるパートなのかを意識できている
B:手順を回している時に、その回している手順によって周辺のパーツがどう動くか、およそ理解できている
C:手順をスロットインするタイミングではもうそのパーツを見ず、次に揃えるパーツに見当を付けて、どのような手順で揃えるかの目星を大体付けることが出来る
D(難):イレギュラーなパターン(普通の手順を使うと近くにあるペアがブッ潰れてしまう場合や、一個先のパートがかなり揃っていたのでそっちを揃え切ってから一つ前のを揃える場合など)に柔軟に対応できる
さて、こうやって分類したところで何のこっちゃだと思いますので、具体例を出しつついくつかの種目について説明していきます。
※網羅的・体系的にやるわけではないです。あくまでも、"筆者の考え方"を共有するものです。
※ここから全ての説明は白クロス、白スターに統一します。結局は多くの人に読んでもらうことが目的なので。これが民主主義…。
各自クロス色U面でスクランブルして対応してください。
・導入1
僕が先読みの説明をする時に頻繁に用いるのが「100マス計算」と「キューブのスクランブル」です。
100マス計算をする時、一つ前の答えを書いている時にはもう次のマスの計算をしていませんか?
キューブのスクランブルをする時、一つ前の回転記号を回している時にはもう次の回転記号を見ていませんか?
これらが出来るのであれば、すでにあなたの脳には先読みの赤ちゃんが存在していることになります。これらはAの読みになりますね。
ドリンクバーでボタンを押す時、ジュースがこぼれないように、ちょっと早めに指を離しますよね?これはBの読みです。つまり、あなたの脳にはBの読みの赤ちゃんも存在していることになります。
ドリンクバーの初心者や液体の初心者は、このことに気付かずコップから溢れさせてしまうことでしょう。
ということで、あなたは"キューブの先読み"もできます。おめでとうございます。
・導入2
鋭い方は気付いたかもしれません。
「なんだか、読みって二種類の能力の組み合わせじゃないか?」と。
その通りで、読み(というか脳)には、「CPU」的な機能と「メモリ」的な機能が存在すると考えています。
あまりIT系に詳しくない方に向けてもう少し説明します。
実際に手順を回す指の速度とかに関係しているのがCPUで、インスペクション時に「クロスを揃えるためにR' F2って回すから…右親指前からスタートして右人差し指、中指と回して…」と記憶しておくのがメモリ、といった感じです。
CPUとメモリの性能は個人差があります。指の速さは当然のことで、メモリの性能差はインスペクションの精度や、音記憶の限界文字数に関係してきます。
しかし一方で、性能差が関係ない要素も存在します。それは「ライブラリ」です。
手順のそのものや指使い等の事前にインストールしておく知識は事前準備で覚えておきさえすれば良い(インプット速度には個人差がありますが)ものであり、CPUやメモリで負ける選手が唯一対等に戦える領域です(アウトプット速度には個人差がありますが)。
人間の脳の記憶容量は広辞苑10万冊分以上という研究結果が存在します。
3×3のOLL程度、覚えられないわけがないんですよね。
やらないとダメなんだから、やるしかないんですよ。
この先でも、ちょっと難しいテクニックや知名度が低めの手順を紹介する場合がありますが、「咄嗟に出てこないなあ」「自分には無理かも」のような舐めた泣き言は受け付けません。「咄嗟に出てくるようになるまで反復練習を繰り返す」ことを、「無理だったものを無理ではなくす」ことを、「練習」と呼びます。目先のAo100が遅くなることを恐れて挑戦から逃げる愚かな行いは今日までにしましょう。
歴代のアドカレを見ても、コロナ禍以降は特に内容のマニアック度合いが進んでいますね。最もメジャーな競技である開眼の3×3(両手CFOP)の記事は本当に少ない。(Rouxは結構ある。片手もそこそこある。)
2024年:ZBLL議事録
2023年:まっしゅのOLLのEOに関する動画
2022年:owapoteの嘘PLL読みの記事
2021年:カレメオンのPLLのCP読みに関する記事、うえしゅうさんのZBLLに関する記事
2020年:ノムノムのZeroingに関する記事
…LL以降ばっかりやないかい!!
ノムノムの記事もコミュテータを利用したOLSの発展版のようなハイレベルすぎる記事なので、実質的にF2L関連の記事はかなり長期間出ていないですね。
正直アドカレの貴重な1枠を利用して3の記事を書くのは結構プレッシャーというか、マニアック記事なら完全なマニアック方向にインド人を切れば正確性は二の次で良いから楽というか(そんなマインドでアドカレを書くな)。
ともあれ3の読みが甘いようではこの先のキューブはもっと難しいと思うので、ギリギリ公式平均Sub10したことあるレベルですが3のF2Lについてもちょろちょろっと書いていきます。
なお、「F2LのEO」に関しては絶対に完璧に理解してください。
かっとむの記事でもうえしゅうさんの記事でもまっしゅの動画でも何でも良いので必ず理解してください。
これを理解せずにこの先を読んでも意味が無いです。
かっとむのF2L#1読みに関する記事
うえしゅうさんのF2Lの持ち替えに関する記事
というか、かっとむの記事のこれが一番分かりやすいな。

良いですね?理解しましたね?じゃあ行きます。
まずはこんな配置。(青橙スロットは空いている)

この位置で出てきた時はR U2' R' でI型を作りy'持ち替えして、 L U' L'でスロットインしますよね。(Fwとかを使うのは一旦無視)
何故y'持ち替えをするのか?それは、FRスロットを埋めるよりBLスロットを埋める方が景色が良くなるからです。(y持ち替えしてFRからしか入れられない人は猛反省してください。)
景色が良いと何が嬉しいのか?先読みがしやすくなるのです。
STEP1:読みを実施しやすくなる環境を整える
ちゃんとBLスロットを優先的に揃えることが出来る人は、この下地が整っているということです。偉い!
ちなみに、ある程度3が速い人は全員「これのI型を作る部分はRU系だけの動きで出来るな」ということが分かったと思います。
このエッジが見えた時には、

コーナーがここだろうと、

ここだろうと、

よっぽど嫌なところに埋まっていない限りは嬉しい手順(RU系の手順)でIT化をすることができます。
つまりセンター関係なしに、この位置にこの向きでこのエッジがある時点で「(FRスロットイン的に)嬉しいエッジ」であるということです。(FMCerに殴られそうなこと言ってるなあ)

これもかっとむの記事に書かれてる(ちょっと意図は異なるけどEOさえ合っていると分かっていれば読みを節約できるというポイントは同じ)。良い記事だ。

EOが反転していた場合は、「後ろにスロットインしやすいペア」を作ることができます。

これならR' U' R でペアリング可能、という感じですね。

だからこの場合は、R' U' R U' R' U R でBRスロットインできるということです。
(赤青スロットのEOが合っていることは見れば分かるので当たり前なのですが)

(でも15~20秒くらいの人のソルブを見てると、こういうのが出てきた時に何も考えず青赤スロットをFRに持ち替えて、(あ、この位置だと無理だ)みたいな感じで再度持ち替えてる場面をよく見るんだよなあ…。
センターとエッジの色が同じか見るだけなのに…。)
話をこちらに戻します。

僕の見解としては、これを先にR U2' R' してから y'持ち替えして L U' L'でBLスロットインするべきと考えており、U' y してからR U2' R' U R U' R' したり、U' y' してからL U2 L' U L U' L' するのは明確に損だと考えています。
理由は4点あります。
・手数が増えている
先にR U2' R'した場合はそのまま3手でスロットインできる位置にあるのに、「U'してセンターとエッジの色を合わせてっと…。」という動作を入れることで2手増えています。
PLLに例えると、JbはここからR U R' F' R U R' U' R' F R2 U' R' と回せば1手減るのにU y'して、

「左のバーの色が合っていないと回せないんだ!」 と言いながらR U R' F' R U R' U' R' F R2 U' R' U' と回して、二手増やしているようなものです。

これとかもそうですね。まずR U2' R' としておけばy L U L'とできるのに、U y'から入ると2手増えます。

え?「これらのパターンはたまたま手数が増えただけだろ!」って?
確かに、IT化部分を先に処理しても手数が変わらないことはありますが、先にAUFした方が手数が減ることは絶対にありません。じゃあ先にIT化した方が良くないですか?
あとこの主張は2つ目の理由で論破できるので黙っていてください。
・次のパーツの動きを読みにくい
7手の手順を回した場合と、3手の手順を回した場合。どちらが次のパーツの動きを読みやすいですか?
まあそういうことです。
・嫌な埋まり込みエッジをかき混ぜて、良い感じになる可能性を捨てている
例えばこんなパターン。

この青橙パーツはEOが逆の状態で中に埋まり込んでいるので、どこから何をやっても必ず持ち替えが発生してしまいます。
これを先ほどのように赤エッジと赤センターをくっつけた位置から処理すると、青橙スロットに干渉しないので嫌な形がそのまま残ることになります。
一方、この位置からペアリングをすることで青橙パーツが飛び出し、いい感じにアレしてアレすることができます。少なくともエッジがU面に出てくるので、絶対に持ち替える必要がある逆埋まりこみの状態よりはマシな状態になるはずです。
上の例の場合、完全に青橙パーツだけを見ることで、青橙パーツに対してR U2' R' y' L U' L' をかました結果どこに移動するか大体把握できるので、それを処理する手順(R' U' R U' R' U R)を回している間はもう次のパーツを見て、次のパーツにその手順をかましたらどの辺りに動くかを追いつつ…という感じにソルブが続いていきます。
(でも、読みが苦手な人は青橙スロットを守ることで次に回す手順を確定させるという戦略もあるのか…?無いか。)
・そもそも、F2Lの基本手順表の画像の位置に持って来ないと回せないこと自体がダメ
比較検討した上で、「持ち替えてから全部回した方が良いな」と判断したわけではなく、おそらく見たことあるパターンに持ち込まないと処理できない状態なのだと思います。
もう少し考えてスピードキューブをやった方が良いかも知れません。
最初の配置においてはR面のセンターとエッジが青と赤だった時点でEOが合っていないので、スロットインまで含めると絶対に持ち替え(※1)が必要ということは当然、今これを読んでいる全員が理解していますが、そのことと「持ち替えて、位置を合わせてからIT化する」ことは別の問題です。
(※1) FとかFwとかも含む
さて次のパターン。
左のスロットは両方埋まっていて、FRのペアリング(EOが合っている)をしようとしている時にBRエッジに緑が入っているのが見えたとしましょう。

この時、最後のスロットは絶対に持ち替えずにスロットイン可能です。
全員が当然理解できていることを何度も言ってしまい申し訳ないですが…。
具体的には、コーナーの3種類の向きに応じてこういった手順があります。

R' U2' R U' R' U' R

R' U R U R' U2' R

R' U' R U R' U' R U' R' U R
U' R2 U' R2' U' R2 U2' R2' (僕は嫌い)
(コーナーがここからUした位置にあればR2' U2' R2 U R2' U R2とかもあるけど、僕は普通にR' U R U' R' U' R U' R' U R をやる)
(普通にU'して後ろトリプルセクシー(R' U' R U R' U' R U R' U' R)でも良い)
しかし、こんな感じでドットOLL確定の状態だと話は変わってきます。

上のパターンが出てきた時は、僕はyしてからU2' R U' R' U R' F R F'でドット回避をします。
(U' y U' よりy U2' の方が良いのは言うまでもないです)
これだとR' U' R U R' U' R2 B' R' B で、

これだとR' U R U' R B' R' B します。

…ということで、F2L#4の時は探すまでもなくパーツが見つかるので、その先のOLLパーツに目を向け、手順を使い分けます。これはAとBの読みのハイブリッドで実現できますね。
STEP2:「その場所にそのパーツがその向きで存在しているということは、相方がどのような向きであろうとも、必ず今の位置のまま処理することができる(または必ず持ち替える)ので、それを見越して指の位置の準備をすることができる」
F2L#4を回す直前にOLLがどうなるかをどうやって確認しているのか?それは、「BRスロットにエッジが正しい向きで入っている場合」の「コーナーの向き3種」と「OLLがドットになるか、それ以外」合計6種類の対応を完全に把握できており、脳のメモリに空きがあるからです。
「白コーナーがあの向きの時の手順は知らないんだよな」という状態だと、その配置が出る可能性を考慮に入れる必要があり、先を読む余裕が無くなってしまいます。
例えばこれでR' U2' R U' R' U' R を知らずに常にy U2 から入ったり、

これでR U R' U2' R U R' を知らずに常にy' R' U2~を回すようなことは、絶対にあってはならないことです。

さて、このパターンの場合にy持ち替えをして、R U' R' U R U' R2 F R F' とする人も当然多いです。
というかそれで良いです。

僕の手順には「BRスロットインが多少回しにくい」、こっちの手順には「持ち替えが発生する」というデメリットがあり、どちらが有利かは僕にはよくわかりません。よって、別の要素で優劣を付けます。
正面からスレッジハンマーでドット回避した場合、黄エッジはこうなります。

一方、BRスロットのスレッジハンマーをした場合はこう。

ということは、OLLの手順の中でここから回し始めるパターンの個数と、

ここから回し始めるパターンの個数を比較して多い方が、OLLのための平均AUF手数が少なくなるので有利ということになります。

僕の使っている手順だとこうなります。
6
5
6
13
よって、
の状態でOLLに入る方が6:4ぐらいで手数的に有利です。
BRスレッジハンマーを使用した方が有利と分かっているので、僕はあのパターンでは持ち替えません。
あっちの向きのOLLを、持ち替えてもお釣りが来るくらいの量知っていればまた違った判断になったかもしれません。
え?「ここまで考えてるの…?」って?
考えますよ、この程度。逆になんで考えないんですか?
STEP3:事前に考えておける部分を徹底的に考えておくことで、実戦でより深い領域まで読めるようになる
ここまで事前に考えておくことで読みのコストを削減して、次の読みに繋げられるような余裕が生まれます。本番で「とりあえず読むぞ〜ww」と思っているだけでは半人前ということです。
また、「考えた結果の最適行動を取れている」という自信はポジティブなマインドを形成しやすいとも考えています。これに関しては昨年書きました。
なんでOLLを覚えていない人に限って、簡単にできるドットOLL回避もやらないんですかね?
覚えていない程度の取り組み方をしているから、こういうことも考えられないのか。
続いては、「回転記号には表れない持ち替え」の話です。
こちら、どう揃えますか?

ふむふむ、トリプルセクシー? R U R' U' R U R' U' R U R'?
なるほど。間違いです。
この形の時、U R U' R' U R U' R' U R U' R' の方が明確に良いです。
あっちがダメな理由は二点あります。
・持ち替えている
R U R' U' R U R' U' R U R' を回し始める時、指はどこに置きましたか?
最初に親指をよいしょっとD面に持ち替えましたか?ダメです。
↑Cube Voyageでもよいしょっと持ち替えている(この動画は「ルービックキューブの揃え方 初級編」のステップなので、別にこれで良い)。
・エッジコントロールがしにくい
もしこのパターンがF2L#4に出てきて、普通に入れるとドットOLLが出てきてしまう場合はR U' R' U R U' R2 F R F' としてドットOLLを回避すると先程書きました。
しかし、トリプルセクシーを用いると最後がT型になってしまうのでエッジコントールしにくいです。これは明確に損です。
僕は実戦でこの形が出てきた時に(R U R' U')×3 の方を回したことは無いです。
これ以降、記事内に「トリプルセクシー」と書かれていた場合は(U R U' R') ×3 の方だと理解してください。いちいちトリプル逆セクシーとか書くのは面倒くさいので。
さて、ここで世界一ルービックキューブが速いYiheng Wang 選手のソルブを見てみましょう。
まずはこちら。

これですね。普通にR U R' U' R U R' です。Yihengもそう回しています。
この手順は親指をD面に持ち替えないと回せないような気がしてきます。

しかし、Yihengはこれを親指F面のまま回しています。どうやって?
動画を見てもらったら分かりますが、Rを回して親指が上に来てもそのまま人差し指を上に残して回しています。親指と人差し指がかなり接近しています。

Jbを回す時も、親指FでスタートしてUをそのまま回しています。

もう一つこちら。

こちらですね。

そもそもこれ、赤青スロットが空いていればもちろんU' R U' R' U R' U' R ですが、ここが埋まっているパターンを知っていますか?
正解はF U' F' R' U' R です。構造は上の手順と全く同じ(切り離してT型を作る)ですが、FとF'が出てきます。
Yihengはこれを親指Fのまま右人差し指F、左手中指U'、左手人差し指F' と回すことで一切持ち替えずに処理できています。

↑F'を回す直前。かなり指をピーンとしている。
ここまで見てきて、何故皆様の指が遅いのか分かりましたか?(勝手に遅いと決めつけている)
「自分は指が遅いから、速い選手とは違うから…」と思考停止せず、速い選手がどうして速いのかを知るために、しっかり海外選手の動画を調べたことはありましたか?
STEP4:読みの効果を最大限発揮できるように指使いを増やす
必要のない持ち替えをしていたら、そりゃ出るtpsも出ません。手順書に書かれている回転記号をなんとなく回すのではなく、どういった指の組み合わせをすれば速く回せるかをしっかり考えましょう。
皆様がキューブを始めた頃、人差し指と中指で回すU2ダブルトリガーや、薬指と中指で回すM2ダブルトリガーを上手く回せなかったはずですが、今は出来るはず。ということは、練習によって指使いを増やすことは可能ということです。
僕も全ての指使いを習得できているわけではありませんが、必要だなと判断して練習したことで結構色々出来るようになりました。
少し前に僕が友人に説明した、「tps」を上げる方法についてのツイートも共有しておきます。
Sune(R U R' U R U2' R')を親指Dに持ち替えてから回している方、全員猛省してください。
この動画内で僕は左人差し指UをU面から押し込んで回していますが、L面の後ろから押し込む人が多いです。僕の指は短いので後ろは回しにくいのです…。
また、僕が左人差し指Uを習得したのにはもう一つ理由があります。それはまた後述。
LLの話もちょっとだけやっておきます。
このPi-caseのOLLが出てきた時、一番基本的な手順(R U2' R2' U' R2 U' R2' U2' R)を回した後のPLLはCPskip、隣接、対角のどれが出るか分かりますか?

正解は対角です。
ちなみにこれの時にCPskipになります。

これは、回している時に脳内映像を思い出しつつ「右の上下の色が同じで、左が同じじゃなかったらskip」「左が同じで、右が同じじゃなかったら対角」と分かるので、一瞬早くPLLに取りかかれます。
ちなみにU-caseにR2' D' R U2 R' D R U2 R を回すと、左がskipで右が対角になります。


(U2 R2 D R' U2 R D' R' U2 R' を使っている場合は逆になります)
(この手順は親指U面から左薬指D面回しを使ってregriplessで回せますが、まさか持ち替えてる人いませんよね…?)
ちなみにR2' D' R U2 R' D R U2 R は左下のブロックが全く動かないので、たとえばこれがV-permになるのは見た瞬間に分かります(だからと言って、初手のキャンセルできる実力は僕には無い)。

OLL終了からノータイムでPLLを回している選手は別に未来予知能力があるわけではなく、こういった知識を膨大に持っています。
今まで何千、何万回もソルブしているにも関わらずこういうインプットを全くせずにステゴロでLLを回しているようでは、先読みの意識も身に付かないことでしょう。OLLを回す時間は休憩時間ではないですよ。
「そんなのやってもコンマ数秒しか変わらないだろ!」なんて考える愚か者はこれを読んでいる人の中には一人もいないと思いますが。
さて、ここまで散々勉強が大切という話をしましたが、それを効率的に習得できるようにするための「運動学習」に関する論文を紹介します。
論文
この論文内では、運動を習得するまでには「①認知段階」、「②連合段階」、「③自動化段階」の3つの段階を経由すると説明されています。
まずは①の認知段階。この段階は、まだ新しい動きに対する脳内イメージが存在していない状態であり、脳内にその運動のイメージを植え付ける段階です。
つまり言葉での説明を受けるよりも見本の動作を何度も見て、とりあえず何度もその動きをやってみるのが重要になります。
(ここで教材選びを失敗すると持ち替えまくりの訳の分からない手順を見て覚えてしまうんですよね。)
(さらに言うと、この時点で回転記号だけを見て分かった気になって訳のわからない回し方が定着すると、予後が非常に悪くなります。)
(卓球のスマッシュを練習する時、何かの文献で「ラケットを地面と垂直に持ち、手首を捻りながらボールを〜〜〜」のような文章だけ読んでお手本の動画を見ずに練習しますか?回転記号だけ見て勝手に回し方を構築するのはそれと同じです。)
ある程度正確に安定してできるようになると、②の連合段階に進みます。
この段階では、自身の身体内部に目を向けられるようになっている状態であり、小脳の誤差信号(脳内でイメージしている動きと実際の動きの違いを検出する信号)を用いて「教師あり学習」が行われている段階です。
「教師あり学習」とは、明確な正解を与えた状態で学習させるAIの機械学習の手法です。
例として、「これは普通のメールだよ」「これは迷惑メールだよ」といったデータをたくさん与え、「迷惑メールにはこんな感じの特徴があるなあ」と学習していくもの(自然言語処理)だったり、「これは猫の画像だよ」「これは犬の画像だよ」といったデータをたくさん与え、「猫にはなんとなくこんな特徴があるなあ」と学習していくようなもの(画像認識)があります。
この段階になると、言葉による指導が有効になってきます。「その指の角度だと傾けすぎているから、M列に引っかかっちゃうよ」といった具体的なアドバイスを元に学習を行える状態になっているからです。
この動きが無意識下で出来るようになると③の自動化段階に進みます。
この段階では、その手順を完全に無意識で行えるようになっています。さらに、大脳では報酬(ドーパミン)を最大化するために最適な行動を模索する「強化学習」が行われています。
「強化学習」とは、最初に報酬を設定し、報酬を最大化するためにどのような行動を取るのが最適かを決定するAIの学習方法です。
例として、将棋AIの場合は「勝利したら1ポイント」「敗北したら-1ポイント」という報酬を用意して、「初手に飛車先の歩を突くと…」といった戦略を学習し、二足歩行ロボットの場合は「長い秒数歩けたら高いポイントを与える」という報酬を用意し、「右足を上げた時にこのくらい体を傾けてその間に左足の準備を…」という戦略を学習し始めます。
ここで言う「報酬」とは、「素早く回せたぞ!」という精神的満足感だったり「速いぞ」、「すごい!」といったような褒め言葉です。
「褒めて伸ばす」というのは筋が通っているんですね。
(成績が悪い時に怒られたりするのも「罰」という方向で脳の報酬系に記録され、良い成績を取って怒られることを回避するのも「罰を回避した」という形で脳は微量のドーパミンを放出します。良くない学習体系…。)
ちなみに、実戦における「報酬」は練習の際の報酬とは少し意味合いが異なります。
「手数が多くかかるドットOLLではなくL系のOLLが出てきてくれる」という「報酬」を目標に、単なるトリプルセクシーではなくR U' R' U R U' R2 F R F' を自然に回せるようになる状態を目指す、という感じです。
強い選手は手順を覚えるペースも早いような気がしませんか?これは、新しい手順を覚える際にも「あ、この7手の動きは前覚えたアレにも入ってるな」「ここで人差し指を押し込む動きはもう習得しているな」といった運動記憶を多く所持しているからです。多くの指使いを覚える必要があるのはこのためなんですね。
教師あり学習とか強化学習をもっと詳細に知りたい方はこれでも読んでください。
なぜ長々と脳の働きや人工知能の学習について書いていたかというと、以下の三点を分かりやすく伝えるためです。
一つ目は、「こういった効率的な学習方法でなくとも、最適解(※2) に到達する可能性はある」ということです。



(引用:「将棋の渡辺くん」)
将棋AIの計算速度が遅くてもそのうち最適解に辿り着くのと同様、「うん、この手順は持ち替えない回し方よりも2回持ち替える回し方の方が良いな!」のような誤った結論に達することは無いからです。
(あ、でも「OLL2Lookの方が速い!」みたいな誤った結論に到達したバケモノもたまに湧いていますね。ああいうのはもう放っておきましょう)
合計ウン万回ソルブするだけの練習で物凄く速くなった人はこのタイプだと思います。2万回トリプルセクシーを回していたらある日突然、「あれ、これRからじゃなくてUからの方が速くね?」と気付くかもしれないし。
ただ、人生には限りがあります。学習は効率的であるに越したことは無いです。
(※2) 「その人にとっての最適解」のこと。
二つ目は、「手順を自動化段階にまで持っていくことで、先読みをする脳のリソースが生まれる」ということです。
脳内で「えっとえっと、FRスロットを後ろに持って行った方が良いから〜〜」、「えっと、この手順はまずR U' R'でペアを切り離して〜〜」とか考えていたら当然先のパーツを探す余裕なんてありません。
ある配置を見た瞬間それを回す手順が自動で出てくることで、それを回している間に他のパーツを探す余裕が生まれ、さらにそれを処理する手順にまで意識を向けることができるようになります。PLLを回しているときにもうAUFまで分かるのもこれによるものですね。
「ゆっくり回し」の目的はこの感覚を身に付けるためにあると思っています。「パーツを回している間はもうそこを見ず、次のパーツを揃えるための戦略を立てる」という感覚を体に叩き込むためです。
止まっている時間って実質インスペクションタイムですよね。インスペクションして目の前の手順を回す、またインスペクションをして手順を回して…といった感じ。
先読みができている人は一個前の手順を回している時に、同時に脳のメモリでインスペクションも実施しているようなものなので、そりゃ止まる時間も少ないわけですね。
怖くても、もう揃えた場所は絶対に見ない。
「『見ない』ということを意識する」わけでもなく、もっと当たり前に、呼吸のやり方を普段意識することがないのと同じように、自分がさっき処理した部分はもう絶対に正しいパーツが入っているのだから、その部分を黒く塗り潰すように、パーツの探索範囲から自然と除外するように…。
STEP5:自分の読みを信じ抜く
これもかっとむの記事に書いていますね。もしかして僕の記事いらない?

三つ目は、「大会の時だけ生じる謎の現象は、『自動化段階が解除されているから』という理由で説明できる」ということです。
※あくまで僕の仮説です。
「自動化段階」が解除される大きな要因は、「疲労」と「緊張」です。
人間はこの状態になると、無意識で発揮できるはずの動きが意識的な動きになってしまいます。全く考えずに回せていたはずの手順に「あれ、R'だっけ?R2'でもう一段深くだっけ??」などの思考が入り込み、無意識下で回すことが困難になります。
あるPLLを爆速で回すことはできるのに、1手ずつゆっくり回すと分からなくなったことはありませんか?
通常のソルブの中でOLLが出てきたら普通に回せるのに、いきなりそのOLLだけパッと渡されると何故か回せなくなったことはありませんか?(しかもそこからF2Lを1個崩した状態でスタートすると、F2Lからの流れでOLLを普通に回せたことはありませんか?)
練習時はスルスル回せていたキューブが、大会本番になると突然モッチャリした回し心地になったことはありませんか?
普段のソルブではそのLL手順を無意識下で回していますが、いざ意識を向けると先述の状態になるからです。どうです?それっぽいでしょう。
疲労はまあ大会前日にしっかり寝ろということで、自分は座席の選択が自由の場合はできるだけ前に座ったり、大金を投じてアジア大会に行ったり、M-1グランプリに出場したり、〇〇〇〇〇〇たりなどの様々な経験によって、緊張を日常に組み込むことを意識してきました。
イチロー選手でさえ、「緊張を克服することはできない」と発言しています。
緊張とは、それが大切だと認識しているから発生するものです。メインじゃない競技に出る時、緊張しないでしょう?
緊張=悪ではありません。緊張を否定することは、それを大切にしている自分自身を否定することです。自分を否定していては決してパフォーマンスは向上しません。
(逆に大会参加の機会だけ増やしても、緊張すべき場面で気が緩んでいるようでは大したパフォーマンスは発揮できないでしょう。)
僕の好きな漫画『ワールドトリガー』からも引用しつつ、「実力を向上させて本番で結果を出せるようにするためにはどうすれば良いか」の私見を述べます。
あなたの指は本当にそのtpsが最高値ですか?
訳の分からない持ち替えとかのせいで遅くなってはいないですか?
あなたの指は、本当に絶対に全くダブルトリガーができないですか?
速い人が実際に手順を回している動画を見て参考にしましたか?
今一度、キューブへの取り組みを見つめ直してみてください。
え?ここまで考えてるのに、なんで僕の公式平均が9.92程度なのかって?
やかましいわ。
ここからは、各競技についてです。
NRも相当下がっちゃったし。
ダメか〜そうか〜〜。 じゃあちょっとだけ書きます。
①インスペクション読み
インスペクションは非常に大事です。ここが全ての読みの起点であり、ここで対面センター部分を見ずに揃えることでクロスエッジを探し、三つ目のクロスエッジを揃えている間に残りのセンターをどこから始めるか目星を付けておき…というように、読みの連鎖を続けるきっかけとなります。
まずは簡単めのスクランブルから。
スクランブル: Uw2 B L' F2 Uw2 F2 L' Fw2 D2 B2 Uw2 L' Uw' L U2 Uw2 Fw2 L Fw L Rw' D' Rw2 D2 Rw'

どう見ても黄色が揃えやすそうなので、黄色からやります。
自分の場合、まずy x' して黄色のハーフセンターをD面に持って行ってからU' Rw U Rw2' とすることで、黄色センターと白センター3つを入れます。あとはy'して3手です。
y U' Rw' U Rw' で黄色センターを作ると白センターが微妙なことになります。
こんな感じで、出来るだけハーフセンターをたくさん作ることで位置の把握がしやすくなり、先読みをしやすくなるのでオススメです。
少し難易度が高いのもやってみましょう。
スクランブル:Uw2 Fw2 R' L2 B' Rw2 B2 Uw2 F' L' B' R L2 U' Uw' L Uw' F2 D Fw' Rw D F B2 Uw' Rw2

スクランブルの位置からD' U' Rw' とすると黄色と白のハーフセンターがそれぞれ完成して、残りの黄色も1手でくっつくようになるのでここまではみんな読めるとしましょう。
ここで僕が脳のメモリを節約するために使用している方法その1、「4BLDナンバリング的センター把握法」をご紹介しましょう。
すいません、かなり大袈裟な書き方しました。
D' U' Rw' y' Rw U Rw'2 y とした時、白はこうなっています。では、最後の白がB面のどの部分にあるかパッと分かりますか?

正解はここです。(x'した)

僕の4BLD的ナンバリングに直すとこれは左下なので「3番」に当たります。
(本来の4BLDの場合はB面を正面から見るので1番ですが、今は開眼なのでx'で覗き込んだ位置として3番ということにしています。紛らわしすぎてごめんなさい!!!)
BLDナンバリングを本当に全く知らない人はここを見てみてください。とにかく僕の場合、右上を1、右下を2、左下を3、左上を4とイメージしています。
つまり現在、白のセンターパーツは
B面:3番
U面:4番
F面:1番と2番 にあります。ついて来れていますでしょうか…?
さて、この白をU面に完成させるのにあなたは何手かけますか?
正解は、U2' Rw U2' B' Rw' です(U2' Rw U2' x' U' Rw'のように適宜いい感じに持ち替えてください)。5手ですよこれ。
ハーフセンターを持ち上げつつ上側でハーフセンターを完成させて逃して、戻る動きで装填するイメージ(何も伝わらない)(僕はチョロQをイメージしています)(これも伝わらないでしょ)(まず今の子にチョロQが伝わらないんじゃない?)(嘘?)(トミカは?プラレールは?)(そっちは伝わるかも)(チョロQって良いよね。一旦戻った分、高速で進んで行く。まるで手順を覚えたら一旦遅くなるけど、それを乗り越えたらもっと速くなるスピードキューブみたい)(上手くねえよ)(ひどい)。
で、僕はこういう場合にB面の位置だけは絶対に忘れないように「3番」というイメージを持っています。何故か?
インスペクションで D' U' Rw' y' Rw U Rw'2 y までは簡単に分かるので、(これを回している時にB面が見えず、ここのセンターの位置を把握しておかないとロスになるな)と判断したからです。
F面のハーフセンターやU面の白センターはぶっちゃけ読み切れていなくても、回している時に丸見えなのでどうにでもなります。でもB面だけはどうにもならない。だから3番だけは別途完璧に記憶しておきました。
ちなみに、今回のように「1個、1個、ハーフセンター」が3連で置かれている時は絶対に6手以内で完成する必勝法があります。
例えば、
B面:3番
U面:4番
F面:3番と4番 (さっきとハーフセンターの位置が逆)の場合はB2 Rw' U' F2 Rw (いい感じに持ち替えはしてね) となります。
もう戦略は分かりましたね?ハーフセンターを上げつつ上側でもハーフセンターを完成させるように位置を調整すれば、最短で完成します。
ちなみに、別に最短手数にこだわらなくても、どの位置にパーツが存在できているか把握できてさえいれば読みの連鎖が繋がって相当速いです。本番ではパッと脳内に浮かんだ手順を回してしまう方が良いです。
他にも
B面:3番
U面:3番と4番
F面:1番 の場合、B面の3番を覚えておけばF Uw2'でF面にハーフセンターが完成しますね。後はよしなに。
(ちなみに番号を振ったのは解説しやすいからで、別にインスペクションでしっかり「3番だ!!!」と覚えているわけではないです。「あそこだ!!!」と覚えています)
閑話休題。
すでに白センターがD面にできている時、これはどう処理しますか?

ふむふむ、F Uとして両方縦にして、Rw U2' Rw'でセンターを作っている、と…。
なるほど。ダメです。
いや、ダメは言い過ぎました。別に縦にすることも全然あります。
例えば下のような配置でクロスエッジがあれば、F U Rw U2' Rw' します。

ここに完成したクロスエッジが無ければ、Rw U' Rw2' F Rw またはRw' F Rw2 U' Rw'という手順があります。ということは、クロスエッジのパーツの位置によって、手順を使い分けることができるはずです。
この使い分けは非常に簡単です。
初手でクロスエッジがくっ付く方を回せば良いです。
つまり、こっちなら初手にRwを回すとクロスエッジがくっ付くのでRw U' Rw2' F Rw 、


こっちならRw'でくっ付くのでRw' F Rw2 U' Rw'を回すことでクロスエッジが揃います。


この配置にクロスエッジが無い時は、先が読みやすくなりそうな方の手順をなんとなくノリで回しています。
こちらの手順は親指をF面に置いた状態から回しやすいので、シンプルにF U Rw U2' Rw' よりも手順として優秀じゃないですか?という理由と、
センターのラストがこういう配置だった場合に両方縦にするのはキモすぎるという理由によりこちらを採用しています。

ちょっと工夫したテクニックを採用するかを決める自分の中の基準は、「自分の実力でこのテクニックを問題なく習得することができるか(≒このテクニックを自動化段階まで持って行くことができるか)」としています。
例えば以下の場合、UしてRw U2' Rw'なら4手で済みますが、F'してRw U' Rw2' F Rwすると6手で白赤クロスエッジもくっつけることができます。

でも、これはムズすぎません?自分の能力ではこれを自動化段階に持ち込むのは厳しいと判断しました(こんなん練習するよりもメガをやりたい)。
U Rw U2' Rw' に対してF' Rw U' Rw2' F Rw は初手が回しにくすぎること、前者を回しても白赤エッジはそんなに嫌なところに行かないことなどを理由にこれは没にしました。
一方先ほどのように両方のハーフセンターが横向きで平行だった場合は「初手でクロスエッジがくっ付く方を回せば良い」ということだけ認識しておけば良いので十分自動化段階に持ち込むことができます。
このように、徹底的に考えた中でも没にしたテクニックは無数にあります。
あ、そういえば上上に平行で上に作る方しか話していなかったですね。
下下を上に作る手順はこちらならRw U Rw2' F' Rw、

こっちならRw' F' Rw2 U Rw' となります。

うん、回しにくい。
上上を上(下下を下)に持って来るよりも上上を下(下下を上)に持って来る方が回しにくいんですね。伝わりますかね。
最後に、このパターンはこのままRw U2 Rw'してもクロスエッジが死なないのは皆さん知っていますよね…?わざわざどかしてる人いませんよね…?頼みますよ?

僕は上のを見た瞬間にこの状態になることを知っているので、回している間に他のパーツを読むことができるということですね。

ところで僕、インスペクションと対面センターだけでこんな量書いて、一体何文字書くつもりですか?
②4センター
緑センターが完成していて赤ハーフセンターが左側にあり、残りの赤はF面の2番、U面の3番にある時、どうやって処理しますか?

(裏はこう)

ふむふむ、まずRw U' Rw'して?3Rwして U Rw U2' Rw'?
あ〜〜、全然ダメですね。
こちら、正解はRw U Rw U2' Rw2' です。なんというか、赤ハーフセンターの右側部分にもう一つのハーフセンターを格納するんですよ。伝わるかなあ。
こんな基本的な話は置いといて、青と橙がこんな配置だった場合。

(裏はこう)

Rw U Rw U2'した時点でこうなり、あとはRw2'するだけなのですが、ここでU面の青ハーフセンターに着目します。

ここでただRw2'ではなく、Rw' U2' Rw' と挟み込むことで青と橙のセンターも完成します。4が速い人のセンターが一瞬で終わる理由がなんとなく分かったでしょうか。
これができるようになるには、Rw U Rw U2' Rw2' のような、一度避難させて位置合わせしてから格納する系の手順を自動化段階まで持ち込み、次の青パーツの位置を読める脳のメモリを残しておく必要があります。まあ慣れたら誰でもいけます。
似てる形を見てみましょう。

(裏はこう)

この場合Rw U Rw U2' Rw2' すると残りがこうなってしまい、7手かかってしまいます。

Rw U Rw U2' までは別に良いのですが、最初のRwを回した時にU面の青パーツが「イテキマ-www」と視界から消えて行く様子を覚えておき、(青が下側(2番の位置)にあったなあ)と覚えておきます。
Rw U Rw U2'したらこう。青が4番にあります。

つまりこの時点で青のハーフセンターが合わないことが分かるので、Rw' U' Rw' で青ハーフセンターを合わせ、U Rw U2' Rw' でセンター完成です。
逆に青が3番にあれば、普通にRw2'すれば青ハーフセンターができるというわけです。
この程度であれば、僕なら完読み余裕です。完読み余裕ということは…?
そう、この間にラストクロスエッジを探しています。
③8エッジ
僕が9年前のアドカレで書いた記事、結構完成度が高いと思ってるんですよね。基本が3-2-3になって、イレギュラーが一個発生すると残り4エッジになり、2点交換2つか4点交換か…のようにエッジの状態を読むことができる感じ。
ところで、多分割のエッジもEOの概念は重要です。
青赤エッジをFRスロットに入れたい場合を考えると、

3に直すとこういう向きなので、わざわざ U2 R U' R' とせずに R U R' で入れられるということです。

逆にこちらだった場合は、

3に直すとこの位置になるので、y' L' U2 L となります(場合によっては U2 F R' F' R もやります)。

EO的に判断すると何が嬉しいかというと、こういう時に持ち替えないと入れられないか、持ち替えずに入れられるかが即座に分かるということです。
これはEOが合っているのでR' U R2 U' R' で入れられ、

こちらはEOが合っていないのでR' U R U' y L' U L のように、先読みをしておくことでどのタイミングでy持ち替えするかの戦略を立てることができます。

ちなみに、こんな緑黄エッジのように逆の対角に配置されている場合は y R' F R2 U R' F' R U2' R' というのもあります。僕は結構早いタイミングでyして、右側の景色を見て先読みが途切れないようにすることを重要視しています。

R' F R2 U R' F' R U2' R' は3だとこういうF2L入れ替わり手順になります。どう入れ替わっているか分かりやすいですね。

①センター
多分割になると、センターにも定石というか、知っていないとマズい形が色々存在しています。
まずは非常に有名なこちら(白センターは完成しているとする)。

これはもちろんRw U' Rw' U Rw U' Rw' ですね。1個の方から先に入れます。
U Rw~~スタートで2個の方から先に入れると12手ですか?ヤバいですよね。
同様に、こちらはRw U Rw' U' Rw U Rw' の7手になります。

この2パターンを知った時、自分は「1個の方を空きスロットと逆側に置き、1個の方から先に入れる」とルールを設定して覚えました。
このようにルールを設定して体系的に覚えることで覚えるペースも上がるし、回し間違えにくくなるような気がします。
ところでこのRw U Rw' U' Rw U Rw' 、回し覚えがありませんか?

はい、R U R' U' R U R' です。実はこの手順のRを二層にしただけなんですね。

つまりこの手順を親指下に持ち替えないと回せない人は5のセンターでも同じように回すことしかできず、速い人にさらに水をあけられてしまうということです。
当然と言えば当然なのですが、多分割には3で使う指使いが頻繁に出てきます。
(エッジフリップのR' F R F' R U' R' はスレッジ+3手スロットイン等)
3が遅いのに多分割が速い人がほとんどいないのはこれが理由です。
「3が遅いから」というか、「3に対してやっている舐めた取り組みを多分割に対してもしているから」と言った方が近いです。
この記事は手順紹介記事ではないのでもう一個だけ紹介します。
下の「T」の形は流石に知っている人が多いと思います。3Rw U(U') 3Rwです。

では、この「上」みたいなやつは?

この「上」の配置の場合「押し込めばTが完成する位置にXセンターを置く」ということだけ意識すれば、Rw U' Rw' U(U') Rw で2×3を作成することができます。
(白センターが完成していればRw U' Rw' U(U') Rw U2 Rw')

「下」の配置であっても同様に、Rw U Rw' U'(U) Rw で2×3が完成します。
(同じくRw U Rw' U'(U) Rw U2 Rw' )
このように、知っているパターンを体系化して自動化段階で処理できるようになると〜〜?(マイクを向ける)
その間に次のパーツを探せるようになる〜〜〜!!!(観客席からの歓声)
②エッジ
赤黄エッジがこんな感じで置かれていたとします。こちら、どうくっつけますか?

ふむふむ、F R' F' R で手前に入れてからUwして、R' F R F' R U' R' してエッジを反転させて、最後に3Uw'する、と…(スライスは略)。
なるほど。酷すぎますね。もっと脳味噌使わないと。
こちらは R' U' R2 U R' (スライスは略)が最短となります。4のエッジでも説明した通り、B面の赤黄パーツは「EOが合っていない」と解釈することができるので今の位置からFRスロット(またはBLスロット)に入れればEOが合うということです。
しかも5×5以上の多分割は、「正しいEOでスロットインする」と「EOが合っていないエッジを追い出す」を同時に行うことができるので、思った以上に手数削減の余地が存在しているかもしれません。
さて、こちらは?

これでもヘッジを回すかは迷います。僕はy U' L' U L します。
後ろ側の景色を確認したいとか、Fして目の前の景色を大きく乱すのは先読みの天敵だからとか、そもそもヘッジは回しにくいとか、自分なりの理由はあります。
でも「ヘッジ以外はありえない」と言っている僕より遥かに速い選手もいました(「僕と同じように処理する」と言っている僕より遥かに速い選手もいました)。
重要なのは考えることです。ソルブスタイルが近そうな選手を参考にする等、自分なりの戦略を立てましょう。
さて、ここまで立方体系の読みに関して様々なアプローチで説明してきました。おさらいしてみましょう。
STEP1:読みを実施しやすくなる環境を整える
STEP2:その場所にそのパーツがその向きで存在しているということは、相方がどのような向きであろうとも、必ず今の位置のまま処理することができる(または必ず持ち替えるので、それを見越した持ち替えがしやすいような指の位置の準備をすることができる)
STEP3:事前に考えておける部分を徹底的に考えておくことで、実戦でより深い領域まで読めるようになる
STEP4:読みの効果を最大限発揮できるように指使いを増やす
STEP5:自分の読みを信じ抜く
これらを念頭に置きつつ、一旦読みのことは忘れて少しメガミンクスの世界に触れてみましょう。
例えばこんな形。

これは3×3でもよく見る形なので、(U R U' R')×2でI型を作ってなんちゃら…とか考えましたかね。
しかし、この配置の場合はクロスを気にする必要が無いので正しくはU R2 U2' F' R2' Fです。
どうです?別ゲーが始まったでしょう?面白くなってきました。
え?「トリプルセクシーの形で、コーナーを逃してエッジを逆向きにして、向こう側でペアを作るなんてやった事ないよ!咄嗟に出てこないよ!」って?
いやいや、何を言っているんですか。
じゃあ、このパターンはどう処理しますか?

R' U2' R2 U R'でしょう?
ほら、やったことあるじゃないですか。
右側を自由に使える以上、向きなんて大した問題ではないんです。
そしてこれを知っておくことで、その他のパターンにも拡張させることができます。

F U R2 U2' R' U' F'

F' U R2 U2' R2' F (z'してトリプルセクシーでも良い)
などなど。
次はこちら。

3と同じように、U R U' R' U' R U' R'…とか考えていますか?
だってクロスを気にしなくて良いので、R' U' R U' R'でI化できますもんね。
しかし、これでもまだ不十分です。
これはR' U' F' R' F が正解となります。

↑こいつ
「U' R bR U R' してz'持ち替えて、U R U' R' U' R U' R' U R U' R' します」
ということで、メガミンクスがいかに自由度の高い種目なのか分かりましたでしょうか。さらに、いかに事前勉強が大事な種目なのかも分かっていただけましたでしょうか。
クロスを無視すると、予想より格段に少ない手数でペアリング可能になるというメガの常識を頭に流し込んでくださいね。
続いては皆様が最も知りたいであろう、「遠くのパーツをペアリングする時、どういう考え方をしているか」についての話です。
まずはこちら。

このパターンを考えるとき、とりあえずT型にしたいので黄色をここに持ってきたいな!と考えるわけです。

そのためには、bL'2 bR' で持ってくる必要があるわけですね。
(一応その後を書いておくと、R F' U R' F です。)
こういう感じに持ち替えてU2' R'と回すと考えると分かりやすいと思います。(僕はここまで大げさに持ち替えないですが、イメージとしてはこんな感じです。)

続いて、EOが反転しただけのこちら。

これは、bL' を1手回すだけで黄色が上に来ることが分かると思います。
よって、この場合は U' bL' とすることでT型を作ることができました。
(まあ実は、これの最短は bL'2 (F' bR'2 同時回し) U2' R2' F なんですけどね。やらなくて良いと思います)
続いてはこんな配置の場合。

EOが合っているエッジが右側にある場合は、自分はこれを作るイメージでやっています。

この配置は青黄スロットならF' R2' F、黄紫スロットならF R' U F' で入れることができる優秀な配置です。
よってこの場合はbL'2 R'(同時回し) UでI型を作ることができます。
そういえば誰か忘れましたがこれ↓をR U2' R' R2' F' R F って掬い上げて入れていた人がいました。
今すぐR U2' F' R2' F に矯正してください。

ではEOが逆になったこちら。

EOが逆になっている場合は、自分はこれを作るイメージでやっています。

この配置は青黄スロットならz' R U' R' (F' U' R' Fの愛着スロットインも普通に使います)、黄紫スロットならR L'(同時回し) U2 Lで入れることができる優秀な配置です。
よってこの場合はbL' R2(同時回し) U2' で手前にI型を作ることができます。
ということで、どんなに遠くに離れていようとも結局はIT化しているだけなんですね。そうです、IT化しないと入れられません。
コーナーを基準に狙い撃ちするなら「T型を作成する向きにあの色が来たら嬉しいな」、エッジを基準にするなら「とりあえず白を上向きになるように持ってくればなんとかなるな」と意識するだけで、ペアリングの質は一気に上がると思います。(自分はこれを「勝ちパターン」と呼んでいます。)
それにプラスして、我々レベルになると魔法のペアリングを色々知っているので、勝ちパターンを膨大に持っています。
例えばこれは普通のスレッジハンマー(R' F R F')でペアリングできるので、

これのスロットインはR' F R2 U' R' U F' だと分かったり、

これはF R' F R F' U F'ということになる(y' R U R' U F' U' Fでも良い)し、

これはスレッジハンマーの1手目をすでにやってくれているF R F' ということになるので、

これはF R2 U' R' U F' だと分かったり、

これはF2 R F' U F' ということが分かったり(R2 y' R' F R F' R U' R'でも良い )、

「なんでこんなとこに埋まってるんだよ!クソが!」という感じなのをF R F' で救出することができたりします。

「EOってどんな感じに判別するの?」と聞かれると結構説明に困ります。
3×3の時に、センターを見なくてもこの向きのエッジだけ見たらもうEOが合っていると分かるという話をしました。

同様に、僕はもうこのエッジだけ見れば(奥側にペアを作れるな)と分かります。

よって、こちらは見た瞬間にU' F' R2 U R' F と分かり、

こちらはR bR' F' R2 U R' F と分かるということですね。
(z' U2' R U R' U' R U R' でも良い)

どうすれば分かるのか?う〜〜ん、慣れじゃないですか?
「35の次の数字が36ってすぐ分かるのはなんで?」と聞かれている気分です。BLDerに「赤青エッジの赤のひらがなが『す』って一瞬で分かるのはなんで?」と聞いているようなものだと思います。
STEP2も組み込んだ話をします。
一つ前(あるいはもっと前)のペアリング等をしている時に、黄紫スロット内にその色のコーナーパーツが埋まり込んでいることを発見したとしましょう。
黄紫エッジは後から引っ張ってくるとして、確定で以下の6つのどれかのパターンになります。

F U2' R U' R' U2 F'

F R2 U2' R' U F'

F R U' R U2 F'

F U2' R U R' U2 F'

F R U2' R' U F'

F U' R U2 F'
この6パターンを覚えておけば、コーナーが埋まり込んでいた瞬間に必ず黄正面のまま処理できるということです。
普通のF2LのEOは完璧に理解しているはずの皆様でも少し混乱したかもしれませんが、最初にFをかましてFLスロットに入れる動きなので、この場合は黄エッジが下側になっている方がEOが合っています。
前半の三つは紫エッジが下になっておりEOが合っていないので、UFの位置に持ってきてFでEOを合わせています。一方、後半の三つは既にEOが合っているのでFで巻き込まないように、URの位置に置いています。
「咄嗟にどっちなのか分からないよ!」という方には僕の発明した一撃で覚えられる方法を伝授します。

例えばこんな場合。このままR' Uと最短距離で持ってくると黄センターと紫エッジがくっつく位置に来るので、
「色が違うんだね〜〜」
「今からおじさんがFしてEO合わせてあげるからね〜」
となるので(?)、UFの位置に持ってきてFで巻き込みとなります。
逆に黄色が下だった場合は、
「色が合ってるね〜〜」
「おじさんのFに巻き込まれないようにどいててね〜」
となるので(?)、URの位置に置いておきます。
これも以前に説明した、「十分自動化段階に持ち込める判断レベル」ですね。「センターとエッジの色が同一かどうかを見るだけ」と体系化できるからです。
(ちなみに僕は、ガチで脳内で「おじさんがEOを合わせてあげるからね〜」と言っています。0.2秒くらい)
(回している瞬間はもう次のパーツを見ています。)
え?「そもそも黄紫スロットをFRに持ってきておけばこんなことをしなくて済むじゃん」って?
いやいや、普段3をソルブする時にFRスロットをできるだけ埋めないようにするのはパーツを読みやすくするためでしょう。3×3の基本ですよ。それと同じです。
はい、復唱。
STEP1:読みを実施しやすくなる環境を整える
STEP3:事前に考えておける部分を徹底的に考えておくことで、実戦でより深い領域まで読めるようになる
これらを事前にしっかり考えておいたことにより、「あそこに黄紫コーナーが埋まってるのを覚えてるから、エッジさえ持って来てFすれば必ず黄正面で処理できるぞ」「右側が見やすいので、次のパーツも探しやすくなって戦略も立てやすくなるぞ」「次のペアリングは親指下側から始まるからそれを見越した持ち替えをして」…と、相乗効果で読みの連鎖が繋がっていきます。
もちろん、正面からやった方が良い場合もあります。例として以下のような場合です。
・右側(今回の場合は青や黄色周辺)の景色をパッと見てパーツが見当たらないので、紫正面にして左側の景色を見たい場合
・まだ入れていないスロットが左側の一つ(今回の場合は紫緑)だけで、パーツも近くにあることが分かっている場合
・(S2Lの最初が青の場合)最後が赤緑スロットになった時は、青周辺から開始したいのでy'持ち替えして普通の処理をする場合がある。(下画像参照)


こんな感じで配置はもちろんのこと、残りスロットの状況、さらにどの色であるかまで考えて最適な手順を考えています。
ソルブの瞬間に考えるのは大変ですが、これも今のうちに考えておけば良いのです。
例えば先程と同じF2L配置ですが残りがここと青赤ペアだけ、さらにこの周辺に青赤のパーツが無いとします。

この時、僕はこんな感じに持ち替えてU2' F R U' R U2' F' と処理して青赤パーツの準備にかかります。

ここでU' L' U L U' L' U L としても別に良いのですが、左主体の手順を回すと右手でホールドすることになり、パーツを探しにくくなります。
一方上の手順の場合は、最後のF'を左人差し指のミハエルトリガーにすることで右側の景色を見やすいように用意することができます。
ここで右手親指のF'しか使えない人は大きく不利になるということです。
3のパートでも書きましたが、これらのペアリングをスムーズに実現するにはミハエルトリガーやダブルトリガーが必須です。
はい、復唱。
STEP4:読みの効果を最大限発揮できるように指使いを増やす
え?「こんな都合の良い位置にパーツが無いこともあるだろ!もっと遠かったらどうするんだ!」って?
やれやれ、仕方ないですね。それでは最後に自分の使用しているペアリングを紹介しましょうかね。
僕が大体どういう感じの思考回路でメガF2Lを処理しているか、ある程度伝わりましたでしょうか?
それではS2Lに進みましょう。左回りしか分からないので悪しからず。
S2Lを青からスタートした場合、左側の緑黄スロットが曲者です。ここで黄色正面にしてしまうと、周りの景色が全く見えなくなってしまうこと、その先で大きな持ち替えが発生してしまうことで非常に不利になってしまいます。
だからF R' F R F' U F' や、コーナーだけ埋まり込み6人衆を習得して、黄緑正面のまま処理できるようになる必要があったんですね。


なお、先ほどこれはy' R U R' U F' U' F でも良いと書きました。

それは「青F2Lが大体埋まっていて次に紫緑ペアを処理しようかな〜と考え、今の位置よりも紫正面から処理した方が後々の読みに有利そうだと判断した場合」等に限られ、F R' F R F' U F' を習得しなくて良いという意味ではないです。
ちなみに、当然EOが合っている場合でも黄緑正面から処理できるようにしておきましょう。

F U' R U' R' U F'

F U2' R U2 F'

F R2 U2' R' U2 F'
※この他にも色々あります。
続いてクリーム面をどうにかしようという段階。

基本的にはクリーム赤エッジを入れるためにR2'して良いのですが、上記のように
・クリーム赤エッジがU面にある
・クリームピンクエッジのEOが合っている
この二点を満たしている場合、クリームピンクのペアから処理してしまった方が良いです。ほぼ断言できちゃいます。
クリーム赤エッジが入っている場合を考えてみましょう。

この配置の場合、U R U' R' U' R U' R' U R U' R' …………………
じゃないですよ。R' U' R U' R' U R2 U' R' ですよ。いつまで3をやっているんですか?
一方、クリーム赤エッジを完全に無視するとR' U' R U' R2' の5手で入れることができます。
つまり、クロスエッジ(便宜上そう呼びます)が無ければペアリングの手数は少なくなるということです。当たり前か。
よって最初の配置からR' U' R U' R' するとこうなるので、ここからU R' U' R' することでブロックを作成できます。

「EOが逆の場合はどうすりゃええねん」って?

突然ですが問題です。こちらのクリーム赤エッジを入れるにはどうやりますか?

はい、もちろんF R' F' です。
ではこちらのように、ペアが先に入っている場合は?

はい、こちらもF R F' です。
つまりむしろEOが逆になっているパターンの方が、ペアを先に処理するメリットがあるんですね。
先ほどのパターンだとR' U' R U' R2' U2 すると上↑のパターンになるので、あとはF R F' でブロック完成です。
というわけで、クリームピンクエッジのEOが合っている場合はI型でどうにかしやすいので、ペアから処理すると手数削減になりやすいということです。ちょうどクリーム赤エッジが巻き込まれてしまう時は、いい感じに逃がしてからスロットインしましょう(ここがグダリやすいのでクリームピンクエッジのEOが逆の場合は注意)。
ちなみに、僕は全パターンしっかり記憶しているわけではないのでその場のアドリブで先読みしつつ処理しています。
毎度毎度のことで申し訳ないですが、これをしっかり学習しているからこそ、ビビってクリーム赤エッジを先に入れずに手数を減らすことができます。また、処理方法を体系化することで先読みの余地が生まれます。
他にも順番を入れ替えて処理するパターンは膨大に存在しているのでしっかり研究するか、知っていそうな人に聞いてみるか、どうにかしてください(投げやり)。
魔法をたくさん紹介してもらえると思った?残念!あなたたちのメガが遅い理由は「魔法を習得していないこと」とは全然違います!!
魔法なんてSub40レベルでもほとんど必要無いです。僕の目線から60秒くらいのソルブを見ると無駄だらけであり、先読みを駆使してそれを徹底的に取り除くのがメガミンクスの難しくも面白い部分だと思います。
どうも、佐村健人です。ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
「なんか、勉強すること多くない?」と思いましたか?
あえて一言でまとめます。
読みとは、学びです。
事前に学んでおいた手順が「パーツを見ずとも正しく入れられている」という自信を生み出し、事前にEOについて考えていたからこそ次のペアリングに持ち替えが必要になるか瞬時に判断できるようになり、事前に学んでおいた指使いで事前に学んでおいた効率的なペアリングを素早く回せるようになります。
本記事では、何度もテクニックを体系化して紹介しました。知識の体系化は勉強の基本だからです。
もっと難しいテクニックの習得のため、僕も日夜励んでいます。
あなた達の多分割が成長しない理由を教えてあげます。
・知識が無い
・工夫が無い
・目先のタイムに囚われすぎている
CFOPと、多分割の揃える工程だけはとりあえず覚えているだけ。なんならそれも怪しい場合もある。
例えば4×4で40秒を基準に考えているとして、「もっと効率的な手順があったのに使えなかったり、先読みを怠ったせいでガッツリ止まっていたり」などの大きなミスが出ても、PLLskipで39秒さえ出ればそれで満足なんですか?
「この間習得したばかりのペアリングを上手く使えたり、遠くのパーツの位置をしっかり追えていた」といった良い点があっても、40秒を少しでも超えた瞬間そのソルブは何も褒める箇所のないゴミカスになるんですか?
こういう人がやっているのは「練習」ではありません。ただの「タイム計測」です。
毎日〇〇回のソルブを達成して満足するのは別に構いません。しかしそれだけで留まっているのであれば、「ああ、キューブで遊ぶのが好きなんだなあ」とは認めますが、スピードキューバーとは僕は認めません。
いましたよね〜、「今日は〇時間勉強した!」って得意げになるやつ。
「漫然と生きているだけでは、時間というリソースを無為に捨てているだけだ」ということに僕が気付いたのは25歳の頃です。手遅れ気味。
若いうちは、いかにその期間が貴重なのかに気付かないものなんですよね。ああ、戻りたい…。
やりましょう。スピードキューブを。
速くなるための行動を何一つしていないのに遅いタイムで悲しむの、怖いからやめてください。飯食わずに「腹減った〜!なんで腹が膨らまないんだ〜!」って言ってる人いたら怖いでしょう。
また、飲酒は脳と神経に悪影響を及ぼし、まっすぐ歩行できなくなったり前日の記憶を失ったりするなど、生き物としてありえない状態を引き起こします。慢性的な飲酒の場合、後遺症も残ります。スピードキューバーは飲酒をするな。
喫煙は一酸化炭素による低酸素血症を引き起こし、集中力低下や疲労を引き起こします。スピードキューバーは喫煙をするな。
睡眠不足が一週間続くと、ビールを一杯飲んでいるのと同程度にまで脳機能が低下します。スピードキューバーはちゃんと寝ろ。
EPAには神経細胞を活発化させ、情報伝達を円滑にする働きがあります。スピードキューバーは魚を食え。特に生魚を食え。
ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変える機能があり、体内に貯蔵できないため毎日の摂取が必須です。スピードキューバーは豚肉や大豆や玄米を食え。
ビタミンB1はアルコールを代謝する時に大量に消費します。スピードキューバーは飲酒をするな。
スピードキューバーは断酒して禁煙して規則正しい生活をして、寿司を食え。
ちなみに僕の最終的な目標として、「ソルブ動画を登録すると、どのような処理をするかAIに確認させて、良くない処理をしていれば正しい処理を表示するアプリ」、要は「AI佐村健人」を作成しようと取り組んだこともありますが…画像認識も上手いこといかないし、指で隠れちゃうことも多いし、そもそも手順の登録が手作業なのが面倒くさすぎたので頓挫中です。20年後ぐらいにリリースされるのをお待ちください。
この記事によって皆様の練習効率が上がり、自分のNRがどんどん下がっていく可能性があると思うとワクワクしますね。何てったってもう僕はカスみたいなタイムでAsian Podium取っちゃってますからね。若い子たちにとっては大変な時代です。
皆様が世界を背負うような実力になった時に、「さむぶろぐのおかげです!」って宣伝してくださいね。お寿司か豚丼を奢ってあげます。
さて、今日は僕の29歳の誕生日ですね。絶対に祝ってね。
昨日の記事は悪牛さんの「【3BLD】UFエッジ3-style手順について思ってること、選定理由などを雑に書く」でした。
エッジ3-styleの全手順が書かれているだけではなくパターンによる分類、回し方、参考文献や動画などの"全て"が書かれているとんでもない記事でしたね。コミュテータの本質的な理解度を向上させる効果もありそうです。
今年もド派手に始まりましたスピードキュービングアドカレ、僕もしっかり後に続きたいところです。
明日の記事はうえしゅうさんの「自分のFMCの取り組み方 2025年版」です。
アドカレって、なんとなく前半の日付の方が期日を守っている割合が高い気がします。
遅い日付を入れる人はとりあえずで締切を伸ばしているだけというか(大偏見)。
皆様ごきげんよう。noteが2万円分売れて美味しい寿司を食べていらっしゃるでしょうか?佐村健人、通称Sumと申します。
皆様はキューブの「先を読む」感覚、お持ちですか?
この感覚は少分割競技やBLD系の競技と比較すると練度に対して劇的なタイム向上には繋がりにくくて習得が後回しにされがちと言うかなんというか。
指が速い選手がなんとなくソルブするだけで僕の1.2~1.3倍程度のタイムなら普通に出てしまうんですよね。ひどい!
ともかく、流れるように多分割を回すの、かっこいいですよね?(小林製薬)
できると非常に気持ち良いですよ。全能感で脳汁が出てきます。
ということで今回の記事では、それぞれのキューブの先読みについて自分が実施している読みとか考え方とかをざっくり紹介していきます。他の人の考え方が全然違うかもしれませんが、悪しからず。
あと、立方体はかなり実力が落ちてきていますが悪しからず。
まずは、なんとなく一緒くたに「読み(先読み)」と呼んでいる内容を細かく分類してみましょう。
A:今のパートを回している時に、次は何を揃えるパートなのかを意識できている
B:手順を回している時に、その回している手順によって周辺のパーツがどう動くか、およそ理解できている
C:手順をスロットインするタイミングではもうそのパーツを見ず、次に揃えるパーツに見当を付けて、どのような手順で揃えるかの目星を大体付けることが出来る
D(難):イレギュラーなパターン(普通の手順を使うと近くにあるペアがブッ潰れてしまう場合や、一個先のパートがかなり揃っていたのでそっちを揃え切ってから一つ前のを揃える場合など)に柔軟に対応できる
さて、こうやって分類したところで何のこっちゃだと思いますので、具体例を出しつついくつかの種目について説明していきます。
※網羅的・体系的にやるわけではないです。あくまでも、"筆者の考え方"を共有するものです。
※ここから全ての説明は白クロス、白スターに統一します。結局は多くの人に読んでもらうことが目的なので。これが民主主義…。
各自クロス色U面でスクランブルして対応してください。
・導入1
僕が先読みの説明をする時に頻繁に用いるのが「100マス計算」と「キューブのスクランブル」です。
100マス計算をする時、一つ前の答えを書いている時にはもう次のマスの計算をしていませんか?
キューブのスクランブルをする時、一つ前の回転記号を回している時にはもう次の回転記号を見ていませんか?
これらが出来るのであれば、すでにあなたの脳には先読みの赤ちゃんが存在していることになります。これらはAの読みになりますね。
ドリンクバーでボタンを押す時、ジュースがこぼれないように、ちょっと早めに指を離しますよね?これはBの読みです。つまり、あなたの脳にはBの読みの赤ちゃんも存在していることになります。
ドリンクバーの初心者や液体の初心者は、このことに気付かずコップから溢れさせてしまうことでしょう。
ということで、あなたは"キューブの先読み"もできます。おめでとうございます。
・導入2
鋭い方は気付いたかもしれません。
「なんだか、読みって二種類の能力の組み合わせじゃないか?」と。
その通りで、読み(というか脳)には、「CPU」的な機能と「メモリ」的な機能が存在すると考えています。
あまりIT系に詳しくない方に向けてもう少し説明します。
CPU:計算処理を行う装置
メモリ:CPUが処理に必要なデータを一時的に保管しておく場所
実際に手順を回す指の速度とかに関係しているのがCPUで、インスペクション時に「クロスを揃えるためにR' F2って回すから…右親指前からスタートして右人差し指、中指と回して…」と記憶しておくのがメモリ、といった感じです。
CPUとメモリの性能は個人差があります。指の速さは当然のことで、メモリの性能差はインスペクションの精度や、音記憶の限界文字数に関係してきます。
しかし一方で、性能差が関係ない要素も存在します。それは「ライブラリ」です。
ライブラリ:複数のファイルやフォルダをまとめて管理できる機能
手順のそのものや指使い等の事前にインストールしておく知識は事前準備で覚えておきさえすれば良い(インプット速度には個人差がありますが)ものであり、CPUやメモリで負ける選手が唯一対等に戦える領域です(アウトプット速度には個人差がありますが)。
人間の脳の記憶容量は広辞苑10万冊分以上という研究結果が存在します。
3×3のOLL程度、覚えられないわけがないんですよね。
やらないとダメなんだから、やるしかないんですよ。
この先でも、ちょっと難しいテクニックや知名度が低めの手順を紹介する場合がありますが、「咄嗟に出てこないなあ」「自分には無理かも」のような舐めた泣き言は受け付けません。「咄嗟に出てくるようになるまで反復練習を繰り返す」ことを、「無理だったものを無理ではなくす」ことを、「練習」と呼びます。目先のAo100が遅くなることを恐れて挑戦から逃げる愚かな行いは今日までにしましょう。
目次
3×3キューブ
歴代のアドカレを見ても、コロナ禍以降は特に内容のマニアック度合いが進んでいますね。最もメジャーな競技である開眼の3×3(両手CFOP)の記事は本当に少ない。(Rouxは結構ある。片手もそこそこある。)
2024年:ZBLL議事録
2023年:まっしゅのOLLのEOに関する動画
2022年:owapoteの嘘PLL読みの記事
2021年:カレメオンのPLLのCP読みに関する記事、うえしゅうさんのZBLLに関する記事
2020年:ノムノムのZeroingに関する記事
…LL以降ばっかりやないかい!!
ノムノムの記事もコミュテータを利用したOLSの発展版のようなハイレベルすぎる記事なので、実質的にF2L関連の記事はかなり長期間出ていないですね。
正直アドカレの貴重な1枠を利用して3の記事を書くのは結構プレッシャーというか、マニアック記事なら完全なマニアック方向にインド人を切れば正確性は二の次で良いから楽というか(そんなマインドでアドカレを書くな)。
ともあれ3の読みが甘いようではこの先のキューブはもっと難しいと思うので、ギリギリ公式平均Sub10したことあるレベルですが3のF2Lについてもちょろちょろっと書いていきます。
なお、「F2LのEO」に関しては絶対に完璧に理解してください。
かっとむの記事でもうえしゅうさんの記事でもまっしゅの動画でも何でも良いので必ず理解してください。
これを理解せずにこの先を読んでも意味が無いです。
かっとむのF2L#1読みに関する記事
うえしゅうさんのF2Lの持ち替えに関する記事
というか、かっとむの記事のこれが一番分かりやすいな。

良いですね?理解しましたね?じゃあ行きます。
まずはこんな配置。(青橙スロットは空いている)

この位置で出てきた時はR U2' R' でI型を作りy'持ち替えして、 L U' L'でスロットインしますよね。(Fwとかを使うのは一旦無視)
何故y'持ち替えをするのか?それは、FRスロットを埋めるよりBLスロットを埋める方が景色が良くなるからです。(y持ち替えしてFRからしか入れられない人は猛反省してください。)
景色が良いと何が嬉しいのか?先読みがしやすくなるのです。
STEP1:読みを実施しやすくなる環境を整える
ちゃんとBLスロットを優先的に揃えることが出来る人は、この下地が整っているということです。偉い!
ちなみに、ある程度3が速い人は全員「これのI型を作る部分はRU系だけの動きで出来るな」ということが分かったと思います。
このエッジが見えた時には、

コーナーがここだろうと、

ここだろうと、

よっぽど嫌なところに埋まっていない限りは嬉しい手順(RU系の手順)でIT化をすることができます。
つまりセンター関係なしに、この位置にこの向きでこのエッジがある時点で「(FRスロットイン的に)嬉しいエッジ」であるということです。(FMCerに殴られそうなこと言ってるなあ)

これもかっとむの記事に書かれてる(ちょっと意図は異なるけどEOさえ合っていると分かっていれば読みを節約できるというポイントは同じ)。良い記事だ。

EOが反転していた場合は、「後ろにスロットインしやすいペア」を作ることができます。

これならR' U' R でペアリング可能、という感じですね。

だからこの場合は、R' U' R U' R' U R でBRスロットインできるということです。
(赤青スロットのEOが合っていることは見れば分かるので当たり前なのですが)

(でも15~20秒くらいの人のソルブを見てると、こういうのが出てきた時に何も考えず青赤スロットをFRに持ち替えて、(あ、この位置だと無理だ)みたいな感じで再度持ち替えてる場面をよく見るんだよなあ…。
センターとエッジの色が同じか見るだけなのに…。)
話をこちらに戻します。

僕の見解としては、これを先にR U2' R' してから y'持ち替えして L U' L'でBLスロットインするべきと考えており、U' y してからR U2' R' U R U' R' したり、U' y' してからL U2 L' U L U' L' するのは明確に損だと考えています。
理由は4点あります。
・手数が増えている
先にR U2' R'した場合はそのまま3手でスロットインできる位置にあるのに、「U'してセンターとエッジの色を合わせてっと…。」という動作を入れることで2手増えています。
PLLに例えると、JbはここからR U R' F' R U R' U' R' F R2 U' R' と回せば1手減るのにU y'して、

「左のバーの色が合っていないと回せないんだ!」 と言いながらR U R' F' R U R' U' R' F R2 U' R' U' と回して、二手増やしているようなものです。

これとかもそうですね。まずR U2' R' としておけばy L U L'とできるのに、U y'から入ると2手増えます。

え?「これらのパターンはたまたま手数が増えただけだろ!」って?
確かに、IT化部分を先に処理しても手数が変わらないことはありますが、先にAUFした方が手数が減ることは絶対にありません。じゃあ先にIT化した方が良くないですか?
あとこの主張は2つ目の理由で論破できるので黙っていてください。
・次のパーツの動きを読みにくい
7手の手順を回した場合と、3手の手順を回した場合。どちらが次のパーツの動きを読みやすいですか?
まあそういうことです。
・嫌な埋まり込みエッジをかき混ぜて、良い感じになる可能性を捨てている
例えばこんなパターン。

この青橙パーツはEOが逆の状態で中に埋まり込んでいるので、どこから何をやっても必ず持ち替えが発生してしまいます。
これを先ほどのように赤エッジと赤センターをくっつけた位置から処理すると、青橙スロットに干渉しないので嫌な形がそのまま残ることになります。
一方、この位置からペアリングをすることで青橙パーツが飛び出し、いい感じにアレしてアレすることができます。少なくともエッジがU面に出てくるので、絶対に持ち替える必要がある逆埋まりこみの状態よりはマシな状態になるはずです。
上の例の場合、完全に青橙パーツだけを見ることで、青橙パーツに対してR U2' R' y' L U' L' をかました結果どこに移動するか大体把握できるので、それを処理する手順(R' U' R U' R' U R)を回している間はもう次のパーツを見て、次のパーツにその手順をかましたらどの辺りに動くかを追いつつ…という感じにソルブが続いていきます。
(でも、読みが苦手な人は青橙スロットを守ることで次に回す手順を確定させるという戦略もあるのか…?無いか。)
・そもそも、F2Lの基本手順表の画像の位置に持って来ないと回せないこと自体がダメ
比較検討した上で、「持ち替えてから全部回した方が良いな」と判断したわけではなく、おそらく見たことあるパターンに持ち込まないと処理できない状態なのだと思います。
もう少し考えてスピードキューブをやった方が良いかも知れません。
最初の配置においてはR面のセンターとエッジが青と赤だった時点でEOが合っていないので、スロットインまで含めると絶対に持ち替え(※1)が必要ということは当然、今これを読んでいる全員が理解していますが、そのことと「持ち替えて、位置を合わせてからIT化する」ことは別の問題です。
(※1) FとかFwとかも含む
さて次のパターン。
左のスロットは両方埋まっていて、FRのペアリング(EOが合っている)をしようとしている時にBRエッジに緑が入っているのが見えたとしましょう。

この時、最後のスロットは絶対に持ち替えずにスロットイン可能です。
全員が当然理解できていることを何度も言ってしまい申し訳ないですが…。
具体的には、コーナーの3種類の向きに応じてこういった手順があります。

R' U2' R U' R' U' R

R' U R U R' U2' R

R' U' R U R' U' R U' R' U R
U' R2 U' R2' U' R2 U2' R2' (僕は嫌い)
(コーナーがここからUした位置にあればR2' U2' R2 U R2' U R2とかもあるけど、僕は普通にR' U R U' R' U' R U' R' U R をやる)
(普通にU'して後ろトリプルセクシー(R' U' R U R' U' R U R' U' R)でも良い)
しかし、こんな感じでドットOLL確定の状態だと話は変わってきます。

上のパターンが出てきた時は、僕はyしてからU2' R U' R' U R' F R F'でドット回避をします。
(U' y U' よりy U2' の方が良いのは言うまでもないです)
これだとR' U' R U R' U' R2 B' R' B で、

これだとR' U R U' R B' R' B します。

…ということで、F2L#4の時は探すまでもなくパーツが見つかるので、その先のOLLパーツに目を向け、手順を使い分けます。これはAとBの読みのハイブリッドで実現できますね。
STEP2:「その場所にそのパーツがその向きで存在しているということは、相方がどのような向きであろうとも、必ず今の位置のまま処理することができる(または必ず持ち替える)ので、それを見越して指の位置の準備をすることができる」
F2L#4を回す直前にOLLがどうなるかをどうやって確認しているのか?それは、「BRスロットにエッジが正しい向きで入っている場合」の「コーナーの向き3種」と「OLLがドットになるか、それ以外」合計6種類の対応を完全に把握できており、脳のメモリに空きがあるからです。
「白コーナーがあの向きの時の手順は知らないんだよな」という状態だと、その配置が出る可能性を考慮に入れる必要があり、先を読む余裕が無くなってしまいます。
例えばこれでR' U2' R U' R' U' R を知らずに常にy U2 から入ったり、

これでR U R' U2' R U R' を知らずに常にy' R' U2~を回すようなことは、絶対にあってはならないことです。

さて、このパターンの場合にy持ち替えをして、R U' R' U R U' R2 F R F' とする人も当然多いです。
というかそれで良いです。

僕の手順には「BRスロットインが多少回しにくい」、こっちの手順には「持ち替えが発生する」というデメリットがあり、どちらが有利かは僕にはよくわかりません。よって、別の要素で優劣を付けます。
正面からスレッジハンマーでドット回避した場合、黄エッジはこうなります。

一方、BRスロットのスレッジハンマーをした場合はこう。

ということは、OLLの手順の中でここから回し始めるパターンの個数と、

ここから回し始めるパターンの個数を比較して多い方が、OLLのための平均AUF手数が少なくなるので有利ということになります。

僕の使っている手順だとこうなります。
6
5
6
13よって、
の状態でOLLに入る方が6:4ぐらいで手数的に有利です。BRスレッジハンマーを使用した方が有利と分かっているので、僕はあのパターンでは持ち替えません。
あっちの向きのOLLを、持ち替えてもお釣りが来るくらいの量知っていればまた違った判断になったかもしれません。
え?「ここまで考えてるの…?」って?
考えますよ、この程度。逆になんで考えないんですか?
STEP3:事前に考えておける部分を徹底的に考えておくことで、実戦でより深い領域まで読めるようになる
ここまで事前に考えておくことで読みのコストを削減して、次の読みに繋げられるような余裕が生まれます。本番で「とりあえず読むぞ〜ww」と思っているだけでは半人前ということです。
また、「考えた結果の最適行動を取れている」という自信はポジティブなマインドを形成しやすいとも考えています。これに関しては昨年書きました。
なんでOLLを覚えていない人に限って、簡単にできるドットOLL回避もやらないんですかね?
続いては、「回転記号には表れない持ち替え」の話です。
こちら、どう揃えますか?

ふむふむ、トリプルセクシー? R U R' U' R U R' U' R U R'?
なるほど。間違いです。
この形の時、U R U' R' U R U' R' U R U' R' の方が明確に良いです。
あっちがダメな理由は二点あります。
・持ち替えている
R U R' U' R U R' U' R U R' を回し始める時、指はどこに置きましたか?
最初に親指をよいしょっとD面に持ち替えましたか?ダメです。
↑Cube Voyageでもよいしょっと持ち替えている(この動画は「ルービックキューブの揃え方 初級編」のステップなので、別にこれで良い)。
・エッジコントロールがしにくい
もしこのパターンがF2L#4に出てきて、普通に入れるとドットOLLが出てきてしまう場合はR U' R' U R U' R2 F R F' としてドットOLLを回避すると先程書きました。
しかし、トリプルセクシーを用いると最後がT型になってしまうのでエッジコントールしにくいです。これは明確に損です。
僕は実戦でこの形が出てきた時に(R U R' U')×3 の方を回したことは無いです。
これ以降、記事内に「トリプルセクシー」と書かれていた場合は(U R U' R') ×3 の方だと理解してください。いちいちトリプル逆セクシーとか書くのは面倒くさいので。
さて、ここで世界一ルービックキューブが速いYiheng Wang 選手のソルブを見てみましょう。
まずはこちら。

これですね。普通にR U R' U' R U R' です。Yihengもそう回しています。
この手順は親指をD面に持ち替えないと回せないような気がしてきます。

しかし、Yihengはこれを親指F面のまま回しています。どうやって?
動画を見てもらったら分かりますが、Rを回して親指が上に来てもそのまま人差し指を上に残して回しています。親指と人差し指がかなり接近しています。

Jbを回す時も、親指FでスタートしてUをそのまま回しています。

もう一つこちら。

こちらですね。

そもそもこれ、赤青スロットが空いていればもちろんU' R U' R' U R' U' R ですが、ここが埋まっているパターンを知っていますか?
正解はF U' F' R' U' R です。構造は上の手順と全く同じ(切り離してT型を作る)ですが、FとF'が出てきます。
Yihengはこれを親指Fのまま右人差し指F、左手中指U'、左手人差し指F' と回すことで一切持ち替えずに処理できています。

↑F'を回す直前。かなり指をピーンとしている。
ここまで見てきて、何故皆様の指が遅いのか分かりましたか?(勝手に遅いと決めつけている)
「自分は指が遅いから、速い選手とは違うから…」と思考停止せず、速い選手がどうして速いのかを知るために、しっかり海外選手の動画を調べたことはありましたか?
STEP4:読みの効果を最大限発揮できるように指使いを増やす
必要のない持ち替えをしていたら、そりゃ出るtpsも出ません。手順書に書かれている回転記号をなんとなく回すのではなく、どういった指の組み合わせをすれば速く回せるかをしっかり考えましょう。
皆様がキューブを始めた頃、人差し指と中指で回すU2ダブルトリガーや、薬指と中指で回すM2ダブルトリガーを上手く回せなかったはずですが、今は出来るはず。ということは、練習によって指使いを増やすことは可能ということです。
僕も全ての指使いを習得できているわけではありませんが、必要だなと判断して練習したことで結構色々出来るようになりました。
少し前に僕が友人に説明した、「tps」を上げる方法についてのツイートも共有しておきます。
また本題の「TPSを上げる方法」に関して僕が考えたことをつらつら書くと、「脳内で『ガシャッコガシャッコガシャッコ』のリズムで覚えている手順を『ジャカジャカジャ』のリズムにアップデートできないと、指がそれに付いていかない」のではないかと考えた
— 佐村健人 (@KuSupermrm) August 27, 2025
動画の前半では(U R U'… pic.twitter.com/y6VygUnEpZ
Sune(R U R' U R U2' R')を親指Dに持ち替えてから回している方、全員猛省してください。
この動画内で僕は左人差し指UをU面から押し込んで回していますが、L面の後ろから押し込む人が多いです。僕の指は短いので後ろは回しにくいのです…。
また、僕が左人差し指Uを習得したのにはもう一つ理由があります。それはまた後述。
LLの話もちょっとだけやっておきます。
このPi-caseのOLLが出てきた時、一番基本的な手順(R U2' R2' U' R2 U' R2' U2' R)を回した後のPLLはCPskip、隣接、対角のどれが出るか分かりますか?

正解は対角です。
ちなみにこれの時にCPskipになります。

これは、回している時に脳内映像を思い出しつつ「右の上下の色が同じで、左が同じじゃなかったらskip」「左が同じで、右が同じじゃなかったら対角」と分かるので、一瞬早くPLLに取りかかれます。
ちなみにU-caseにR2' D' R U2 R' D R U2 R を回すと、左がskipで右が対角になります。


(U2 R2 D R' U2 R D' R' U2 R' を使っている場合は逆になります)
(この手順は親指U面から左薬指D面回しを使ってregriplessで回せますが、まさか持ち替えてる人いませんよね…?)
ちなみにR2' D' R U2 R' D R U2 R は左下のブロックが全く動かないので、たとえばこれがV-permになるのは見た瞬間に分かります(だからと言って、初手のキャンセルできる実力は僕には無い)。

OLL終了からノータイムでPLLを回している選手は別に未来予知能力があるわけではなく、こういった知識を膨大に持っています。
今まで何千、何万回もソルブしているにも関わらずこういうインプットを全くせずにステゴロでLLを回しているようでは、先読みの意識も身に付かないことでしょう。OLLを回す時間は休憩時間ではないですよ。
「そんなのやってもコンマ数秒しか変わらないだろ!」なんて考える愚か者はこれを読んでいる人の中には一人もいないと思いますが。
手順・回し方の学習方法
さて、ここまで散々勉強が大切という話をしましたが、それを効率的に習得できるようにするための「運動学習」に関する論文を紹介します。
論文
この論文内では、運動を習得するまでには「①認知段階」、「②連合段階」、「③自動化段階」の3つの段階を経由すると説明されています。
まずは①の認知段階。この段階は、まだ新しい動きに対する脳内イメージが存在していない状態であり、脳内にその運動のイメージを植え付ける段階です。
つまり言葉での説明を受けるよりも見本の動作を何度も見て、とりあえず何度もその動きをやってみるのが重要になります。
(ここで教材選びを失敗すると持ち替えまくりの訳の分からない手順を見て覚えてしまうんですよね。)
(さらに言うと、この時点で回転記号だけを見て分かった気になって訳のわからない回し方が定着すると、予後が非常に悪くなります。)
(卓球のスマッシュを練習する時、何かの文献で「ラケットを地面と垂直に持ち、手首を捻りながらボールを〜〜〜」のような文章だけ読んでお手本の動画を見ずに練習しますか?回転記号だけ見て勝手に回し方を構築するのはそれと同じです。)
ある程度正確に安定してできるようになると、②の連合段階に進みます。
この段階では、自身の身体内部に目を向けられるようになっている状態であり、小脳の誤差信号(脳内でイメージしている動きと実際の動きの違いを検出する信号)を用いて「教師あり学習」が行われている段階です。
「教師あり学習」とは、明確な正解を与えた状態で学習させるAIの機械学習の手法です。
例として、「これは普通のメールだよ」「これは迷惑メールだよ」といったデータをたくさん与え、「迷惑メールにはこんな感じの特徴があるなあ」と学習していくもの(自然言語処理)だったり、「これは猫の画像だよ」「これは犬の画像だよ」といったデータをたくさん与え、「猫にはなんとなくこんな特徴があるなあ」と学習していくようなもの(画像認識)があります。
この段階になると、言葉による指導が有効になってきます。「その指の角度だと傾けすぎているから、M列に引っかかっちゃうよ」といった具体的なアドバイスを元に学習を行える状態になっているからです。
この動きが無意識下で出来るようになると③の自動化段階に進みます。
この段階では、その手順を完全に無意識で行えるようになっています。さらに、大脳では報酬(ドーパミン)を最大化するために最適な行動を模索する「強化学習」が行われています。
「強化学習」とは、最初に報酬を設定し、報酬を最大化するためにどのような行動を取るのが最適かを決定するAIの学習方法です。
例として、将棋AIの場合は「勝利したら1ポイント」「敗北したら-1ポイント」という報酬を用意して、「初手に飛車先の歩を突くと…」といった戦略を学習し、二足歩行ロボットの場合は「長い秒数歩けたら高いポイントを与える」という報酬を用意し、「右足を上げた時にこのくらい体を傾けてその間に左足の準備を…」という戦略を学習し始めます。
ここで言う「報酬」とは、「素早く回せたぞ!」という精神的満足感だったり「速いぞ」、「すごい!」といったような褒め言葉です。
「褒めて伸ばす」というのは筋が通っているんですね。
(成績が悪い時に怒られたりするのも「罰」という方向で脳の報酬系に記録され、良い成績を取って怒られることを回避するのも「罰を回避した」という形で脳は微量のドーパミンを放出します。良くない学習体系…。)
ちなみに、実戦における「報酬」は練習の際の報酬とは少し意味合いが異なります。
「手数が多くかかるドットOLLではなくL系のOLLが出てきてくれる」という「報酬」を目標に、単なるトリプルセクシーではなくR U' R' U R U' R2 F R F' を自然に回せるようになる状態を目指す、という感じです。
強い選手は手順を覚えるペースも早いような気がしませんか?これは、新しい手順を覚える際にも「あ、この7手の動きは前覚えたアレにも入ってるな」「ここで人差し指を押し込む動きはもう習得しているな」といった運動記憶を多く所持しているからです。多くの指使いを覚える必要があるのはこのためなんですね。
教師あり学習とか強化学習をもっと詳細に知りたい方はこれでも読んでください。
読まなくて良い余談:AI研究の最序盤は、人間の脳(ニューロン)の働きをコンピュータで再現することから始まりました。これは教師なし学習です。
その後、ニューラルネットを用いた教師あり学習がAI研究のトレンドになりました。そしてその後に神経科学者たちが「あれ、小脳の誤差信号の仕組みって教師あり学習そのものじゃね?」と気づきました。
我々人間も、生まれてから今までたくさんの犬や猫を見てきて「なんか耳や顔が丸っこくて動きが身軽だったら猫っぽいなあ」という学習をしてきた結果、初見の猫に出会ってもそれが「猫だ」と認識できますよね?これはまさに教師あり学習そのものです。
ちなみに、敵対的サンプルに関する研究も非常に面白いです。AIは猫の画像の耳が丸い部分を認識しているのではなく、特徴的な要素を数値として認識しているに過ぎないというのはちょっと寂しい。
でも、スピードキューブのことを全く知らない人が「速い選手の動画を見たら、みんな白クロスで解いてるな…。よし、白クロスで解いたら速くなるのか!」みたいな誤った学習するみたいなのはありそう。
さらにその後、強化学習が確立されました。その後神経科学者たちが大脳を研究した結果、またまた「あれ、脳のドーパミン信号って強化学習そのものじゃね?」と気づき始めました。
最初は脳の働きを模倣しようとAI研究が始まって、徐々に「こんなアルゴリズムを用いた学習法が効率的じゃね?」と研究が進み、後追いで脳の仕組みが非常に似た構造となっていることが判明したんですね。面白い!
その後、ニューラルネットを用いた教師あり学習がAI研究のトレンドになりました。そしてその後に神経科学者たちが「あれ、小脳の誤差信号の仕組みって教師あり学習そのものじゃね?」と気づきました。
我々人間も、生まれてから今までたくさんの犬や猫を見てきて「なんか耳や顔が丸っこくて動きが身軽だったら猫っぽいなあ」という学習をしてきた結果、初見の猫に出会ってもそれが「猫だ」と認識できますよね?これはまさに教師あり学習そのものです。
ちなみに、敵対的サンプルに関する研究も非常に面白いです。AIは猫の画像の耳が丸い部分を認識しているのではなく、特徴的な要素を数値として認識しているに過ぎないというのはちょっと寂しい。
でも、スピードキューブのことを全く知らない人が「速い選手の動画を見たら、みんな白クロスで解いてるな…。よし、白クロスで解いたら速くなるのか!」みたいな誤った学習するみたいなのはありそう。
さらにその後、強化学習が確立されました。その後神経科学者たちが大脳を研究した結果、またまた「あれ、脳のドーパミン信号って強化学習そのものじゃね?」と気づき始めました。
最初は脳の働きを模倣しようとAI研究が始まって、徐々に「こんなアルゴリズムを用いた学習法が効率的じゃね?」と研究が進み、後追いで脳の仕組みが非常に似た構造となっていることが判明したんですね。面白い!
なぜ長々と脳の働きや人工知能の学習について書いていたかというと、以下の三点を分かりやすく伝えるためです。
一つ目は、「こういった効率的な学習方法でなくとも、最適解(※2) に到達する可能性はある」ということです。



(引用:「将棋の渡辺くん」)
将棋AIの計算速度が遅くてもそのうち最適解に辿り着くのと同様、「うん、この手順は持ち替えない回し方よりも2回持ち替える回し方の方が良いな!」のような誤った結論に達することは無いからです。
(あ、でも「OLL2Lookの方が速い!」みたいな誤った結論に到達したバケモノもたまに湧いていますね。ああいうのはもう放っておきましょう)
合計ウン万回ソルブするだけの練習で物凄く速くなった人はこのタイプだと思います。2万回トリプルセクシーを回していたらある日突然、「あれ、これRからじゃなくてUからの方が速くね?」と気付くかもしれないし。
ただ、人生には限りがあります。学習は効率的であるに越したことは無いです。
(※2) 「その人にとっての最適解」のこと。
二つ目は、「手順を自動化段階にまで持っていくことで、先読みをする脳のリソースが生まれる」ということです。
脳内で「えっとえっと、FRスロットを後ろに持って行った方が良いから〜〜」、「えっと、この手順はまずR U' R'でペアを切り離して〜〜」とか考えていたら当然先のパーツを探す余裕なんてありません。
ある配置を見た瞬間それを回す手順が自動で出てくることで、それを回している間に他のパーツを探す余裕が生まれ、さらにそれを処理する手順にまで意識を向けることができるようになります。PLLを回しているときにもうAUFまで分かるのもこれによるものですね。
「ゆっくり回し」の目的はこの感覚を身に付けるためにあると思っています。「パーツを回している間はもうそこを見ず、次のパーツを揃えるための戦略を立てる」という感覚を体に叩き込むためです。
止まっている時間って実質インスペクションタイムですよね。インスペクションして目の前の手順を回す、またインスペクションをして手順を回して…といった感じ。
先読みができている人は一個前の手順を回している時に、同時に脳のメモリでインスペクションも実施しているようなものなので、そりゃ止まる時間も少ないわけですね。
怖くても、もう揃えた場所は絶対に見ない。
「『見ない』ということを意識する」わけでもなく、もっと当たり前に、呼吸のやり方を普段意識することがないのと同じように、自分がさっき処理した部分はもう絶対に正しいパーツが入っているのだから、その部分を黒く塗り潰すように、パーツの探索範囲から自然と除外するように…。
STEP5:自分の読みを信じ抜く
これもかっとむの記事に書いていますね。もしかして僕の記事いらない?

三つ目は、「大会の時だけ生じる謎の現象は、『自動化段階が解除されているから』という理由で説明できる」ということです。
※あくまで僕の仮説です。
「自動化段階」が解除される大きな要因は、「疲労」と「緊張」です。
人間はこの状態になると、無意識で発揮できるはずの動きが意識的な動きになってしまいます。全く考えずに回せていたはずの手順に「あれ、R'だっけ?R2'でもう一段深くだっけ??」などの思考が入り込み、無意識下で回すことが困難になります。
あるPLLを爆速で回すことはできるのに、1手ずつゆっくり回すと分からなくなったことはありませんか?
通常のソルブの中でOLLが出てきたら普通に回せるのに、いきなりそのOLLだけパッと渡されると何故か回せなくなったことはありませんか?(しかもそこからF2Lを1個崩した状態でスタートすると、F2Lからの流れでOLLを普通に回せたことはありませんか?)
練習時はスルスル回せていたキューブが、大会本番になると突然モッチャリした回し心地になったことはありませんか?
普段のソルブではそのLL手順を無意識下で回していますが、いざ意識を向けると先述の状態になるからです。どうです?それっぽいでしょう。
疲労はまあ大会前日にしっかり寝ろということで、自分は座席の選択が自由の場合はできるだけ前に座ったり、大金を投じてアジア大会に行ったり、M-1グランプリに出場したり、〇〇〇〇〇〇たりなどの様々な経験によって、緊張を日常に組み込むことを意識してきました。
イチロー選手でさえ、「緊張を克服することはできない」と発言しています。
緊張とは、それが大切だと認識しているから発生するものです。メインじゃない競技に出る時、緊張しないでしょう?
緊張=悪ではありません。緊張を否定することは、それを大切にしている自分自身を否定することです。自分を否定していては決してパフォーマンスは向上しません。
(逆に大会参加の機会だけ増やしても、緊張すべき場面で気が緩んでいるようでは大したパフォーマンスは発揮できないでしょう。)
僕の好きな漫画『ワールドトリガー』からも引用しつつ、「実力を向上させて本番で結果を出せるようにするためにはどうすれば良いか」の私見を述べます。
- 自分の実力を正しく把握する
- 目標を立てて期限を設ける
- 今の自分でもクリアできそうな小さな目標となるように段階を刻む
- 「今までできなかったことができるようになった」という経験を自信に結びつける
- 結果を出して自信を付け、新たな目標を立てる
スピードキューブの場合、1は簡単ですね。タイムという指標があります。
これがチームスポーツとかだと、あまり実力が高くないのに勝ち進める場合とかがあるのでややこしいことになりやすいですが。
2と3に関して「人間は、目標の期限を設定しないと自分の失敗を認識できなくなってしまう」「人間は目標があまりにも高すぎると、そのために何をすれば良いか分からなくなってしまったり、全く目標に近づけなくてモチベーションを失ったりしてしまう」という傾向があります。
例えば15秒の人が「Sub10」という目標を用意して1年間何も成長が無かったとします。その人は「いつかSub10できれば目標達成だから、まだ途中の段階なので」と認識し、「1年間」というリソースをドブに捨てた「失敗」を認識できていません。
「1年で12秒になる」という目標を達成するために「F2LのEOについて学習して、どのタイミングであれば持ち替えることになるのかを理解する」「回転記号に現れない持ち替えF2Lを正しい指使いにする」「tpsを上げるために、左人差し指Uを習得する」といった細かい目標を設定し、こまめに達成感を味わうことで最終的な大きい目標を成し遂げるためのモチベーションを維持できるようになります。
そういったモチベーションを得られる工夫をしていないから、嘘PBとかで手っ取り早い賞賛を得ようとしちゃうんですよ。
ドーパミンは、目標が高過ぎても低過ぎてもあまり出ないことが知られています。赤ちゃんの頃は「左右のバランスを取って前に進む(=歩く)」という大きな目標を達成したことによってドーパミンを放出しますが、大人になるとそんなことで達成感は得られないですよね。
これがチームスポーツとかだと、あまり実力が高くないのに勝ち進める場合とかがあるのでややこしいことになりやすいですが。
2と3に関して「人間は、目標の期限を設定しないと自分の失敗を認識できなくなってしまう」「人間は目標があまりにも高すぎると、そのために何をすれば良いか分からなくなってしまったり、全く目標に近づけなくてモチベーションを失ったりしてしまう」という傾向があります。
例えば15秒の人が「Sub10」という目標を用意して1年間何も成長が無かったとします。その人は「いつかSub10できれば目標達成だから、まだ途中の段階なので」と認識し、「1年間」というリソースをドブに捨てた「失敗」を認識できていません。
「1年で12秒になる」という目標を達成するために「F2LのEOについて学習して、どのタイミングであれば持ち替えることになるのかを理解する」「回転記号に現れない持ち替えF2Lを正しい指使いにする」「tpsを上げるために、左人差し指Uを習得する」といった細かい目標を設定し、こまめに達成感を味わうことで最終的な大きい目標を成し遂げるためのモチベーションを維持できるようになります。
ドーパミンは、目標が高過ぎても低過ぎてもあまり出ないことが知られています。赤ちゃんの頃は「左右のバランスを取って前に進む(=歩く)」という大きな目標を達成したことによってドーパミンを放出しますが、大人になるとそんなことで達成感は得られないですよね。
あなたの指は本当にそのtpsが最高値ですか?
訳の分からない持ち替えとかのせいで遅くなってはいないですか?
あなたの指は、本当に絶対に全くダブルトリガーができないですか?
速い人が実際に手順を回している動画を見て参考にしましたか?
今一度、キューブへの取り組みを見つめ直してみてください。
え?ここまで考えてるのに、なんで僕の公式平均が9.92程度なのかって?
やかましいわ。
ここからは、各競技についてです。
4×4キューブ
なんかもう疲れちゃった…「上のやつを読んで、多分割も頑張ってね」じゃダメ?NRも相当下がっちゃったし。
ダメか〜そうか〜〜。 じゃあちょっとだけ書きます。
①インスペクション読み
インスペクションは非常に大事です。ここが全ての読みの起点であり、ここで対面センター部分を見ずに揃えることでクロスエッジを探し、三つ目のクロスエッジを揃えている間に残りのセンターをどこから始めるか目星を付けておき…というように、読みの連鎖を続けるきっかけとなります。
まずは簡単めのスクランブルから。
スクランブル: Uw2 B L' F2 Uw2 F2 L' Fw2 D2 B2 Uw2 L' Uw' L U2 Uw2 Fw2 L Fw L Rw' D' Rw2 D2 Rw'

どう見ても黄色が揃えやすそうなので、黄色からやります。
自分の場合、まずy x' して黄色のハーフセンターをD面に持って行ってからU' Rw U Rw2' とすることで、黄色センターと白センター3つを入れます。あとはy'して3手です。
y U' Rw' U Rw' で黄色センターを作ると白センターが微妙なことになります。
こんな感じで、出来るだけハーフセンターをたくさん作ることで位置の把握がしやすくなり、先読みをしやすくなるのでオススメです。
少し難易度が高いのもやってみましょう。
スクランブル:Uw2 Fw2 R' L2 B' Rw2 B2 Uw2 F' L' B' R L2 U' Uw' L Uw' F2 D Fw' Rw D F B2 Uw' Rw2

スクランブルの位置からD' U' Rw' とすると黄色と白のハーフセンターがそれぞれ完成して、残りの黄色も1手でくっつくようになるのでここまではみんな読めるとしましょう。
ここで僕が脳のメモリを節約するために使用している方法その1、「4BLDナンバリング的センター把握法」をご紹介しましょう。
すいません、かなり大袈裟な書き方しました。
D' U' Rw' y' Rw U Rw'2 y とした時、白はこうなっています。では、最後の白がB面のどの部分にあるかパッと分かりますか?

正解はここです。(x'した)

僕の4BLD的ナンバリングに直すとこれは左下なので「3番」に当たります。
(本来の4BLDの場合はB面を正面から見るので1番ですが、今は開眼なのでx'で覗き込んだ位置として3番ということにしています。紛らわしすぎてごめんなさい!!!)
BLDナンバリングを本当に全く知らない人はここを見てみてください。とにかく僕の場合、右上を1、右下を2、左下を3、左上を4とイメージしています。
つまり現在、白のセンターパーツは
B面:3番
U面:4番
F面:1番と2番 にあります。ついて来れていますでしょうか…?
さて、この白をU面に完成させるのにあなたは何手かけますか?
正解は、U2' Rw U2' B' Rw' です(U2' Rw U2' x' U' Rw'のように適宜いい感じに持ち替えてください)。5手ですよこれ。
ハーフセンターを持ち上げつつ上側でハーフセンターを完成させて逃して、戻る動きで装填するイメージ(何も伝わらない)(僕はチョロQをイメージしています)(これも伝わらないでしょ)(まず今の子にチョロQが伝わらないんじゃない?)(嘘?)(トミカは?プラレールは?)(そっちは伝わるかも)(チョロQって良いよね。一旦戻った分、高速で進んで行く。まるで手順を覚えたら一旦遅くなるけど、それを乗り越えたらもっと速くなるスピードキューブみたい)(上手くねえよ)(ひどい)。
で、僕はこういう場合にB面の位置だけは絶対に忘れないように「3番」というイメージを持っています。何故か?
インスペクションで D' U' Rw' y' Rw U Rw'2 y までは簡単に分かるので、(これを回している時にB面が見えず、ここのセンターの位置を把握しておかないとロスになるな)と判断したからです。
F面のハーフセンターやU面の白センターはぶっちゃけ読み切れていなくても、回している時に丸見えなのでどうにでもなります。でもB面だけはどうにもならない。だから3番だけは別途完璧に記憶しておきました。
ちなみに、今回のように「1個、1個、ハーフセンター」が3連で置かれている時は絶対に6手以内で完成する必勝法があります。
例えば、
B面:3番
U面:4番
F面:3番と4番 (さっきとハーフセンターの位置が逆)の場合はB2 Rw' U' F2 Rw (いい感じに持ち替えはしてね) となります。
もう戦略は分かりましたね?ハーフセンターを上げつつ上側でもハーフセンターを完成させるように位置を調整すれば、最短で完成します。
例題
B面:2番
U面:3番
F面:1番と2番
正解 F2 Rw' U F2 Rw (最初にxしてU2 Rw'~~とやると回しやすいかも)
B面:2番
U面:3番
F面:1番と2番
正解 F2 Rw' U F2 Rw (最初にxしてU2 Rw'~~とやると回しやすいかも)
ちなみに、別に最短手数にこだわらなくても、どの位置にパーツが存在できているか把握できてさえいれば読みの連鎖が繋がって相当速いです。本番ではパッと脳内に浮かんだ手順を回してしまう方が良いです。
他にも
B面:3番
U面:3番と4番
F面:1番 の場合、B面の3番を覚えておけばF Uw2'でF面にハーフセンターが完成しますね。後はよしなに。
(ちなみに番号を振ったのは解説しやすいからで、別にインスペクションでしっかり「3番だ!!!」と覚えているわけではないです。「あそこだ!!!」と覚えています)
閑話休題。
すでに白センターがD面にできている時、これはどう処理しますか?

ふむふむ、F Uとして両方縦にして、Rw U2' Rw'でセンターを作っている、と…。
なるほど。ダメです。
いや、ダメは言い過ぎました。別に縦にすることも全然あります。
例えば下のような配置でクロスエッジがあれば、F U Rw U2' Rw' します。

ここに完成したクロスエッジが無ければ、Rw U' Rw2' F Rw またはRw' F Rw2 U' Rw'という手順があります。ということは、クロスエッジのパーツの位置によって、手順を使い分けることができるはずです。
この使い分けは非常に簡単です。
初手でクロスエッジがくっ付く方を回せば良いです。
つまり、こっちなら初手にRwを回すとクロスエッジがくっ付くのでRw U' Rw2' F Rw 、


こっちならRw'でくっ付くのでRw' F Rw2 U' Rw'を回すことでクロスエッジが揃います。


この配置にクロスエッジが無い時は、先が読みやすくなりそうな方の手順をなんとなくノリで回しています。
こちらの手順は親指をF面に置いた状態から回しやすいので、シンプルにF U Rw U2' Rw' よりも手順として優秀じゃないですか?という理由と、
センターのラストがこういう配置だった場合に両方縦にするのはキモすぎるという理由によりこちらを採用しています。

ちょっと工夫したテクニックを採用するかを決める自分の中の基準は、「自分の実力でこのテクニックを問題なく習得することができるか(≒このテクニックを自動化段階まで持って行くことができるか)」としています。
例えば以下の場合、UしてRw U2' Rw'なら4手で済みますが、F'してRw U' Rw2' F Rwすると6手で白赤クロスエッジもくっつけることができます。

でも、これはムズすぎません?自分の能力ではこれを自動化段階に持ち込むのは厳しいと判断しました(こんなん練習するよりもメガをやりたい)。
U Rw U2' Rw' に対してF' Rw U' Rw2' F Rw は初手が回しにくすぎること、前者を回しても白赤エッジはそんなに嫌なところに行かないことなどを理由にこれは没にしました。
一方先ほどのように両方のハーフセンターが横向きで平行だった場合は「初手でクロスエッジがくっ付く方を回せば良い」ということだけ認識しておけば良いので十分自動化段階に持ち込むことができます。
このように、徹底的に考えた中でも没にしたテクニックは無数にあります。
あ、そういえば上上に平行で上に作る方しか話していなかったですね。
下下を上に作る手順はこちらならRw U Rw2' F' Rw、

こっちならRw' F' Rw2 U Rw' となります。

うん、回しにくい。
上上を上(下下を下)に持って来るよりも上上を下(下下を上)に持って来る方が回しにくいんですね。伝わりますかね。
最後に、このパターンはこのままRw U2 Rw'してもクロスエッジが死なないのは皆さん知っていますよね…?わざわざどかしてる人いませんよね…?頼みますよ?

僕は上のを見た瞬間にこの状態になることを知っているので、回している間に他のパーツを読むことができるということですね。

ところで僕、インスペクションと対面センターだけでこんな量書いて、一体何文字書くつもりですか?
②4センター
緑センターが完成していて赤ハーフセンターが左側にあり、残りの赤はF面の2番、U面の3番にある時、どうやって処理しますか?

(裏はこう)

ふむふむ、まずRw U' Rw'して?3Rwして U Rw U2' Rw'?
あ〜〜、全然ダメですね。
こちら、正解はRw U Rw U2' Rw2' です。なんというか、赤ハーフセンターの右側部分にもう一つのハーフセンターを格納するんですよ。伝わるかなあ。
こんな基本的な話は置いといて、青と橙がこんな配置だった場合。

(裏はこう)

Rw U Rw U2'した時点でこうなり、あとはRw2'するだけなのですが、ここでU面の青ハーフセンターに着目します。

ここでただRw2'ではなく、Rw' U2' Rw' と挟み込むことで青と橙のセンターも完成します。4が速い人のセンターが一瞬で終わる理由がなんとなく分かったでしょうか。
これができるようになるには、Rw U Rw U2' Rw2' のような、一度避難させて位置合わせしてから格納する系の手順を自動化段階まで持ち込み、次の青パーツの位置を読める脳のメモリを残しておく必要があります。まあ慣れたら誰でもいけます。
似てる形を見てみましょう。

(裏はこう)

この場合Rw U Rw U2' Rw2' すると残りがこうなってしまい、7手かかってしまいます。

Rw U Rw U2' までは別に良いのですが、最初のRwを回した時にU面の青パーツが「イテキマ-www」と視界から消えて行く様子を覚えておき、(青が下側(2番の位置)にあったなあ)と覚えておきます。
Rw U Rw U2'したらこう。青が4番にあります。

つまりこの時点で青のハーフセンターが合わないことが分かるので、Rw' U' Rw' で青ハーフセンターを合わせ、U Rw U2' Rw' でセンター完成です。
逆に青が3番にあれば、普通にRw2'すれば青ハーフセンターができるというわけです。
この程度であれば、僕なら完読み余裕です。完読み余裕ということは…?
そう、この間にラストクロスエッジを探しています。
③8エッジ
僕が9年前のアドカレで書いた記事、結構完成度が高いと思ってるんですよね。基本が3-2-3になって、イレギュラーが一個発生すると残り4エッジになり、2点交換2つか4点交換か…のようにエッジの状態を読むことができる感じ。
ところで、多分割のエッジもEOの概念は重要です。
青赤エッジをFRスロットに入れたい場合を考えると、

3に直すとこういう向きなので、わざわざ U2 R U' R' とせずに R U R' で入れられるということです。

逆にこちらだった場合は、

3に直すとこの位置になるので、y' L' U2 L となります(場合によっては U2 F R' F' R もやります)。

EO的に判断すると何が嬉しいかというと、こういう時に持ち替えないと入れられないか、持ち替えずに入れられるかが即座に分かるということです。
これはEOが合っているのでR' U R2 U' R' で入れられ、

こちらはEOが合っていないのでR' U R U' y L' U L のように、先読みをしておくことでどのタイミングでy持ち替えするかの戦略を立てることができます。

ちなみに、こんな緑黄エッジのように逆の対角に配置されている場合は y R' F R2 U R' F' R U2' R' というのもあります。僕は結構早いタイミングでyして、右側の景色を見て先読みが途切れないようにすることを重要視しています。

R' F R2 U R' F' R U2' R' は3だとこういうF2L入れ替わり手順になります。どう入れ替わっているか分かりやすいですね。

5×5キューブ
①センター
多分割になると、センターにも定石というか、知っていないとマズい形が色々存在しています。
まずは非常に有名なこちら(白センターは完成しているとする)。

これはもちろんRw U' Rw' U Rw U' Rw' ですね。1個の方から先に入れます。
U Rw~~スタートで2個の方から先に入れると12手ですか?ヤバいですよね。
同様に、こちらはRw U Rw' U' Rw U Rw' の7手になります。

この2パターンを知った時、自分は「1個の方を空きスロットと逆側に置き、1個の方から先に入れる」とルールを設定して覚えました。
このようにルールを設定して体系的に覚えることで覚えるペースも上がるし、回し間違えにくくなるような気がします。
ところでこのRw U Rw' U' Rw U Rw' 、回し覚えがありませんか?

はい、R U R' U' R U R' です。実はこの手順のRを二層にしただけなんですね。

つまりこの手順を親指下に持ち替えないと回せない人は5のセンターでも同じように回すことしかできず、速い人にさらに水をあけられてしまうということです。
当然と言えば当然なのですが、多分割には3で使う指使いが頻繁に出てきます。
(エッジフリップのR' F R F' R U' R' はスレッジ+3手スロットイン等)
3が遅いのに多分割が速い人がほとんどいないのはこれが理由です。
「3が遅いから」というか、「3に対してやっている舐めた取り組みを多分割に対してもしているから」と言った方が近いです。
この記事は手順紹介記事ではないのでもう一個だけ紹介します。
下の「T」の形は流石に知っている人が多いと思います。3Rw U(U') 3Rwです。

では、この「上」みたいなやつは?

この「上」の配置の場合「押し込めばTが完成する位置にXセンターを置く」ということだけ意識すれば、Rw U' Rw' U(U') Rw で2×3を作成することができます。
(白センターが完成していればRw U' Rw' U(U') Rw U2 Rw')

「下」の配置であっても同様に、Rw U Rw' U'(U) Rw で2×3が完成します。
(同じくRw U Rw' U'(U) Rw U2 Rw' )
このように、知っているパターンを体系化して自動化段階で処理できるようになると〜〜?(マイクを向ける)
その間に次のパーツを探せるようになる〜〜〜!!!(観客席からの歓声)
②エッジ
赤黄エッジがこんな感じで置かれていたとします。こちら、どうくっつけますか?

ふむふむ、F R' F' R で手前に入れてからUwして、R' F R F' R U' R' してエッジを反転させて、最後に3Uw'する、と…(スライスは略)。
なるほど。酷すぎますね。もっと脳味噌使わないと。
こちらは R' U' R2 U R' (スライスは略)が最短となります。4のエッジでも説明した通り、B面の赤黄パーツは「EOが合っていない」と解釈することができるので今の位置からFRスロット(またはBLスロット)に入れればEOが合うということです。
しかも5×5以上の多分割は、「正しいEOでスロットインする」と「EOが合っていないエッジを追い出す」を同時に行うことができるので、思った以上に手数削減の余地が存在しているかもしれません。
さて、こちらは?

これでもヘッジを回すかは迷います。僕はy U' L' U L します。
後ろ側の景色を確認したいとか、Fして目の前の景色を大きく乱すのは先読みの天敵だからとか、そもそもヘッジは回しにくいとか、自分なりの理由はあります。
でも「ヘッジ以外はありえない」と言っている僕より遥かに速い選手もいました(「僕と同じように処理する」と言っている僕より遥かに速い選手もいました)。
重要なのは考えることです。ソルブスタイルが近そうな選手を参考にする等、自分なりの戦略を立てましょう。
メガミンクス
さて、ここまで立方体系の読みに関して様々なアプローチで説明してきました。おさらいしてみましょう。
STEP1:読みを実施しやすくなる環境を整える
STEP2:その場所にそのパーツがその向きで存在しているということは、相方がどのような向きであろうとも、必ず今の位置のまま処理することができる(または必ず持ち替えるので、それを見越した持ち替えがしやすいような指の位置の準備をすることができる)
STEP3:事前に考えておける部分を徹底的に考えておくことで、実戦でより深い領域まで読めるようになる
STEP4:読みの効果を最大限発揮できるように指使いを増やす
STEP5:自分の読みを信じ抜く
これらを念頭に置きつつ、一旦読みのことは忘れて少しメガミンクスの世界に触れてみましょう。
例えばこんな形。

これは3×3でもよく見る形なので、(U R U' R')×2でI型を作ってなんちゃら…とか考えましたかね。
しかし、この配置の場合はクロスを気にする必要が無いので正しくはU R2 U2' F' R2' Fです。
どうです?別ゲーが始まったでしょう?面白くなってきました。
え?「トリプルセクシーの形で、コーナーを逃してエッジを逆向きにして、向こう側でペアを作るなんてやった事ないよ!咄嗟に出てこないよ!」って?
いやいや、何を言っているんですか。
じゃあ、このパターンはどう処理しますか?

R' U2' R2 U R'でしょう?
ほら、やったことあるじゃないですか。
右側を自由に使える以上、向きなんて大した問題ではないんです。
そしてこれを知っておくことで、その他のパターンにも拡張させることができます。

F U R2 U2' R' U' F'

F' U R2 U2' R2' F (z'してトリプルセクシーでも良い)
などなど。
次はこちら。

3と同じように、U R U' R' U' R U' R'…とか考えていますか?
だってクロスを気にしなくて良いので、R' U' R U' R'でI化できますもんね。
しかし、これでもまだ不十分です。
これはR' U' F' R' F が正解となります。

↑こいつ
「U' R bR U R' してz'持ち替えて、U R U' R' U' R U' R' U R U' R' します」
ということで、メガミンクスがいかに自由度の高い種目なのか分かりましたでしょうか。さらに、いかに事前勉強が大事な種目なのかも分かっていただけましたでしょうか。
クロスを無視すると、予想より格段に少ない手数でペアリング可能になるというメガの常識を頭に流し込んでくださいね。
続いては皆様が最も知りたいであろう、「遠くのパーツをペアリングする時、どういう考え方をしているか」についての話です。
まずはこちら。

このパターンを考えるとき、とりあえずT型にしたいので黄色をここに持ってきたいな!と考えるわけです。

そのためには、bL'2 bR' で持ってくる必要があるわけですね。
(一応その後を書いておくと、R F' U R' F です。)
こういう感じに持ち替えてU2' R'と回すと考えると分かりやすいと思います。(僕はここまで大げさに持ち替えないですが、イメージとしてはこんな感じです。)

続いて、EOが反転しただけのこちら。

これは、bL' を1手回すだけで黄色が上に来ることが分かると思います。
よって、この場合は U' bL' とすることでT型を作ることができました。
(まあ実は、これの最短は bL'2 (F' bR'2 同時回し) U2' R2' F なんですけどね。やらなくて良いと思います)
続いてはこんな配置の場合。

EOが合っているエッジが右側にある場合は、自分はこれを作るイメージでやっています。

この配置は青黄スロットならF' R2' F、黄紫スロットならF R' U F' で入れることができる優秀な配置です。
よってこの場合はbL'2 R'(同時回し) UでI型を作ることができます。
そういえば誰か忘れましたがこれ↓をR U2' R' R2' F' R F って掬い上げて入れていた人がいました。
今すぐR U2' F' R2' F に矯正してください。

ではEOが逆になったこちら。

EOが逆になっている場合は、自分はこれを作るイメージでやっています。

この配置は青黄スロットならz' R U' R' (F' U' R' F
よってこの場合はbL' R2(同時回し) U2' で手前にI型を作ることができます。
ということで、どんなに遠くに離れていようとも結局はIT化しているだけなんですね。そうです、IT化しないと入れられません。
コーナーを基準に狙い撃ちするなら「T型を作成する向きにあの色が来たら嬉しいな」、エッジを基準にするなら「とりあえず白を上向きになるように持ってくればなんとかなるな」と意識するだけで、ペアリングの質は一気に上がると思います。(自分はこれを「勝ちパターン」と呼んでいます。)
それにプラスして、我々レベルになると魔法のペアリングを色々知っているので、勝ちパターンを膨大に持っています。
例えばこれは普通のスレッジハンマー(R' F R F')でペアリングできるので、

これのスロットインはR' F R2 U' R' U F' だと分かったり、

これはF R' F R F' U F'ということになる(y' R U R' U F' U' Fでも良い)し、

これはスレッジハンマーの1手目をすでにやってくれているF R F' ということになるので、

これはF R2 U' R' U F' だと分かったり、

これはF2 R F' U F' ということが分かったり(R2 y' R' F R F' R U' R'でも良い )、

「なんでこんなとこに埋まってるんだよ!クソが!」という感じなのをF R F' で救出することができたりします。

「EOってどんな感じに判別するの?」と聞かれると結構説明に困ります。
3×3の時に、センターを見なくてもこの向きのエッジだけ見たらもうEOが合っていると分かるという話をしました。

同様に、僕はもうこのエッジだけ見れば(奥側にペアを作れるな)と分かります。

よって、こちらは見た瞬間にU' F' R2 U R' F と分かり、

こちらはR bR' F' R2 U R' F と分かるということですね。
(z' U2' R U R' U' R U R' でも良い)

どうすれば分かるのか?う〜〜ん、慣れじゃないですか?
「35の次の数字が36ってすぐ分かるのはなんで?」と聞かれている気分です。BLDerに「赤青エッジの赤のひらがなが『す』って一瞬で分かるのはなんで?」と聞いているようなものだと思います。
STEP2も組み込んだ話をします。
一つ前(あるいはもっと前)のペアリング等をしている時に、黄紫スロット内にその色のコーナーパーツが埋まり込んでいることを発見したとしましょう。
黄紫エッジは後から引っ張ってくるとして、確定で以下の6つのどれかのパターンになります。

F U2' R U' R' U2 F'

F R2 U2' R' U F'

F R U' R U2 F'

F U2' R U R' U2 F'

F R U2' R' U F'

F U' R U2 F'
この6パターンを覚えておけば、コーナーが埋まり込んでいた瞬間に必ず黄正面のまま処理できるということです。
普通のF2LのEOは完璧に理解しているはずの皆様でも少し混乱したかもしれませんが、最初にFをかましてFLスロットに入れる動きなので、この場合は黄エッジが下側になっている方がEOが合っています。
前半の三つは紫エッジが下になっておりEOが合っていないので、UFの位置に持ってきてFでEOを合わせています。一方、後半の三つは既にEOが合っているのでFで巻き込まないように、URの位置に置いています。
「咄嗟にどっちなのか分からないよ!」という方には僕の発明した一撃で覚えられる方法を伝授します。

例えばこんな場合。このままR' Uと最短距離で持ってくると黄センターと紫エッジがくっつく位置に来るので、
「色が違うんだね〜〜」
「今からおじさんがFしてEO合わせてあげるからね〜」
となるので(?)、UFの位置に持ってきてFで巻き込みとなります。
逆に黄色が下だった場合は、
「色が合ってるね〜〜」
「おじさんのFに巻き込まれないようにどいててね〜」
となるので(?)、URの位置に置いておきます。
これも以前に説明した、「十分自動化段階に持ち込める判断レベル」ですね。「センターとエッジの色が同一かどうかを見るだけ」と体系化できるからです。
(ちなみに僕は、ガチで脳内で「おじさんがEOを合わせてあげるからね〜」と言っています。0.2秒くらい)
(回している瞬間はもう次のパーツを見ています。)
え?「そもそも黄紫スロットをFRに持ってきておけばこんなことをしなくて済むじゃん」って?
いやいや、普段3をソルブする時にFRスロットをできるだけ埋めないようにするのはパーツを読みやすくするためでしょう。3×3の基本ですよ。それと同じです。
はい、復唱。
STEP1:読みを実施しやすくなる環境を整える
STEP3:事前に考えておける部分を徹底的に考えておくことで、実戦でより深い領域まで読めるようになる
これらを事前にしっかり考えておいたことにより、「あそこに黄紫コーナーが埋まってるのを覚えてるから、エッジさえ持って来てFすれば必ず黄正面で処理できるぞ」「右側が見やすいので、次のパーツも探しやすくなって戦略も立てやすくなるぞ」「次のペアリングは親指下側から始まるからそれを見越した持ち替えをして」…と、相乗効果で読みの連鎖が繋がっていきます。
もちろん、正面からやった方が良い場合もあります。例として以下のような場合です。
・右側(今回の場合は青や黄色周辺)の景色をパッと見てパーツが見当たらないので、紫正面にして左側の景色を見たい場合
・まだ入れていないスロットが左側の一つ(今回の場合は紫緑)だけで、パーツも近くにあることが分かっている場合
・(S2Lの最初が青の場合)最後が赤緑スロットになった時は、青周辺から開始したいのでy'持ち替えして普通の処理をする場合がある。(下画像参照)


こんな感じで配置はもちろんのこと、残りスロットの状況、さらにどの色であるかまで考えて最適な手順を考えています。
ソルブの瞬間に考えるのは大変ですが、これも今のうちに考えておけば良いのです。
例えば先程と同じF2L配置ですが残りがここと青赤ペアだけ、さらにこの周辺に青赤のパーツが無いとします。

この時、僕はこんな感じに持ち替えてU2' F R U' R U2' F' と処理して青赤パーツの準備にかかります。

ここでU' L' U L U' L' U L としても別に良いのですが、左主体の手順を回すと右手でホールドすることになり、パーツを探しにくくなります。
一方上の手順の場合は、最後のF'を左人差し指のミハエルトリガーにすることで右側の景色を見やすいように用意することができます。
ここで右手親指のF'しか使えない人は大きく不利になるということです。
3のパートでも書きましたが、これらのペアリングをスムーズに実現するにはミハエルトリガーやダブルトリガーが必須です。
はい、復唱。
STEP4:読みの効果を最大限発揮できるように指使いを増やす
え?「こんな都合の良い位置にパーツが無いこともあるだろ!もっと遠かったらどうするんだ!」って?
やれやれ、仕方ないですね。それでは最後に自分の使用しているペアリングを紹介しましょうかね。
僕が大体どういう感じの思考回路でメガF2Lを処理しているか、ある程度伝わりましたでしょうか?
それではS2Lに進みましょう。左回りしか分からないので悪しからず。
S2Lを青からスタートした場合、左側の緑黄スロットが曲者です。ここで黄色正面にしてしまうと、周りの景色が全く見えなくなってしまうこと、その先で大きな持ち替えが発生してしまうことで非常に不利になってしまいます。
だからF R' F R F' U F' や、コーナーだけ埋まり込み6人衆を習得して、黄緑正面のまま処理できるようになる必要があったんですね。


なお、先ほどこれはy' R U R' U F' U' F でも良いと書きました。

それは「青F2Lが大体埋まっていて次に紫緑ペアを処理しようかな〜と考え、今の位置よりも紫正面から処理した方が後々の読みに有利そうだと判断した場合」等に限られ、F R' F R F' U F' を習得しなくて良いという意味ではないです。
ちなみに、当然EOが合っている場合でも黄緑正面から処理できるようにしておきましょう。

F U' R U' R' U F'

F U2' R U2 F'

F R2 U2' R' U2 F'
※この他にも色々あります。
続いてクリーム面をどうにかしようという段階。

基本的にはクリーム赤エッジを入れるためにR2'して良いのですが、上記のように
・クリーム赤エッジがU面にある
・クリームピンクエッジのEOが合っている
この二点を満たしている場合、クリームピンクのペアから処理してしまった方が良いです。ほぼ断言できちゃいます。
クリーム赤エッジが入っている場合を考えてみましょう。

この配置の場合、U R U' R' U' R U' R' U R U' R' …………………
じゃないですよ。R' U' R U' R' U R2 U' R' ですよ。いつまで3をやっているんですか?
一方、クリーム赤エッジを完全に無視するとR' U' R U' R2' の5手で入れることができます。
つまり、クロスエッジ(便宜上そう呼びます)が無ければペアリングの手数は少なくなるということです。当たり前か。
よって最初の配置からR' U' R U' R' するとこうなるので、ここからU R' U' R' することでブロックを作成できます。

「EOが逆の場合はどうすりゃええねん」って?

突然ですが問題です。こちらのクリーム赤エッジを入れるにはどうやりますか?

はい、もちろんF R' F' です。
ではこちらのように、ペアが先に入っている場合は?

はい、こちらもF R F' です。
つまりむしろEOが逆になっているパターンの方が、ペアを先に処理するメリットがあるんですね。
先ほどのパターンだとR' U' R U' R2' U2 すると上↑のパターンになるので、あとはF R F' でブロック完成です。
というわけで、クリームピンクエッジのEOが合っている場合はI型でどうにかしやすいので、ペアから処理すると手数削減になりやすいということです。ちょうどクリーム赤エッジが巻き込まれてしまう時は、いい感じに逃がしてからスロットインしましょう(ここがグダリやすいのでクリームピンクエッジのEOが逆の場合は注意)。
ちなみに、僕は全パターンしっかり記憶しているわけではないのでその場のアドリブで先読みしつつ処理しています。
毎度毎度のことで申し訳ないですが、これをしっかり学習しているからこそ、ビビってクリーム赤エッジを先に入れずに手数を減らすことができます。また、処理方法を体系化することで先読みの余地が生まれます。
他にも順番を入れ替えて処理するパターンは膨大に存在しているのでしっかり研究するか、知っていそうな人に聞いてみるか、どうにかしてください(投げやり)。
魔法をたくさん紹介してもらえると思った?残念!あなたたちのメガが遅い理由は「魔法を習得していないこと」とは全然違います!!
魔法なんてSub40レベルでもほとんど必要無いです。僕の目線から60秒くらいのソルブを見ると無駄だらけであり、先読みを駆使してそれを徹底的に取り除くのがメガミンクスの難しくも面白い部分だと思います。
あとがき
どうも、佐村健人です。ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
「なんか、勉強すること多くない?」と思いましたか?
あえて一言でまとめます。
読みとは、学びです。
事前に学んでおいた手順が「パーツを見ずとも正しく入れられている」という自信を生み出し、事前にEOについて考えていたからこそ次のペアリングに持ち替えが必要になるか瞬時に判断できるようになり、事前に学んでおいた指使いで事前に学んでおいた効率的なペアリングを素早く回せるようになります。
本記事では、何度もテクニックを体系化して紹介しました。知識の体系化は勉強の基本だからです。
もっと難しいテクニックの習得のため、僕も日夜励んでいます。
あなた達の多分割が成長しない理由を教えてあげます。
・知識が無い
・工夫が無い
・目先のタイムに囚われすぎている
CFOPと、多分割の揃える工程だけはとりあえず覚えているだけ。なんならそれも怪しい場合もある。
例えば4×4で40秒を基準に考えているとして、「もっと効率的な手順があったのに使えなかったり、先読みを怠ったせいでガッツリ止まっていたり」などの大きなミスが出ても、PLLskipで39秒さえ出ればそれで満足なんですか?
「この間習得したばかりのペアリングを上手く使えたり、遠くのパーツの位置をしっかり追えていた」といった良い点があっても、40秒を少しでも超えた瞬間そのソルブは何も褒める箇所のないゴミカスになるんですか?
こういう人がやっているのは「練習」ではありません。ただの「タイム計測」です。
毎日〇〇回のソルブを達成して満足するのは別に構いません。しかしそれだけで留まっているのであれば、「ああ、キューブで遊ぶのが好きなんだなあ」とは認めますが、スピードキューバーとは僕は認めません。
いましたよね〜、「今日は〇時間勉強した!」って得意げになるやつ。
「漫然と生きているだけでは、時間というリソースを無為に捨てているだけだ」ということに僕が気付いたのは25歳の頃です。手遅れ気味。
若いうちは、いかにその期間が貴重なのかに気付かないものなんですよね。ああ、戻りたい…。
やりましょう。スピードキューブを。
速くなるための行動を何一つしていないのに遅いタイムで悲しむの、怖いからやめてください。飯食わずに「腹減った〜!なんで腹が膨らまないんだ〜!」って言ってる人いたら怖いでしょう。
また、飲酒は脳と神経に悪影響を及ぼし、まっすぐ歩行できなくなったり前日の記憶を失ったりするなど、生き物としてありえない状態を引き起こします。慢性的な飲酒の場合、後遺症も残ります。スピードキューバーは飲酒をするな。
喫煙は一酸化炭素による低酸素血症を引き起こし、集中力低下や疲労を引き起こします。スピードキューバーは喫煙をするな。
睡眠不足が一週間続くと、ビールを一杯飲んでいるのと同程度にまで脳機能が低下します。スピードキューバーはちゃんと寝ろ。
EPAには神経細胞を活発化させ、情報伝達を円滑にする働きがあります。スピードキューバーは魚を食え。特に生魚を食え。
ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変える機能があり、体内に貯蔵できないため毎日の摂取が必須です。スピードキューバーは豚肉や大豆や玄米を食え。
ビタミンB1はアルコールを代謝する時に大量に消費します。スピードキューバーは飲酒をするな。
スピードキューバーは断酒して禁煙して規則正しい生活をして、寿司を食え。
ちなみに僕の最終的な目標として、「ソルブ動画を登録すると、どのような処理をするかAIに確認させて、良くない処理をしていれば正しい処理を表示するアプリ」、要は「AI佐村健人」を作成しようと取り組んだこともありますが…画像認識も上手いこといかないし、指で隠れちゃうことも多いし、そもそも手順の登録が手作業なのが面倒くさすぎたので頓挫中です。20年後ぐらいにリリースされるのをお待ちください。
この記事によって皆様の練習効率が上がり、自分のNRがどんどん下がっていく可能性があると思うとワクワクしますね。何てったってもう僕はカスみたいなタイムでAsian Podium取っちゃってますからね。若い子たちにとっては大変な時代です。
皆様が世界を背負うような実力になった時に、「さむぶろぐのおかげです!」って宣伝してくださいね。お寿司か豚丼を奢ってあげます。
さて、今日は僕の29歳の誕生日ですね。絶対に祝ってね。

