どうも、佐村健人です。
メガミンクスの大会が国内で二つも公開されましたね(2025年9月現在)。本当にありがたいことです。
ということで、マッハでメガの部分を書き上げました(書き上げていない)。良ければ読んでください。何かの参考になれば幸いです。
※この記事は、12月に公開予定の「キューブの先読みについて」の記事のうち、主にメガミンクスに関連する部分だけ抜き出し、早めに公開した記事となります。読むなら完全版を読んでください。
(ここに完全版のリンク)
(前略)
まずは、なんとなく一緒くたに「読み(先読み)」と呼んでいる内容を細かく分類してみましょう。
A:今のパートを回している時に、次は何を揃えるパートなのかを意識できている
B:手順を回している時に、その回している手順によって周辺のパーツがどう動くか、およそ理解できている
C:手順をスロットインするタイミングではもうそのパーツを見ず、次に揃えるパーツに目星を付けて、どのような手順で揃えるかの目星を大体付けることが出来る
D(難):イレギュラーなパターン(普通の手順を使うと近くにあるペアがブッ潰れてしまう場合や、一個先のパートがかなり揃っていたのでそっちを揃え切ってから一つ前のを揃える場合など)に柔軟に対応できる
さて、こうやって分類したところで何のこっちゃだと思いますので、具体例を出しつついくつかの種目について説明していきます。
※網羅的・体系的にやるわけではないです。あくまでも、"筆者の考え方"を共有するものです。
※ここから全ての説明は白クロス、白スターに統一します。結局は多くの人に読んでもらうことが目的なので。これが民主主義…。
・導入1
僕が先読みの説明をする時に頻繁に用いるのが「100マス計算」と「キューブのスクランブル」です。
100マス計算をする時、一つ前の答えを書いている時にはもう次のマスの計算をしていませんか?
キューブのスクランブルをする時、一つ前の回転記号を回している時にはもう次の回転記号を見ていませんか?
これらが出来るのであれば、すでにあなたの脳には先読みの赤ちゃんが存在していることになります。これらはAの読みになりますね。
ドリンクバーでボタンを押す時、ジュースがこぼれないように、ちょっと早めに指を離しますよね?これはBの読みです。つまり、あなたの脳にはBの読みの赤ちゃんも存在していることになります。
ドリンクバーの初心者や液体の初心者は、このことに気付かずコップから溢れさせてしまうことでしょう。
ということで、あなたは"キューブの先読み"もできます。おめでとうございます。
(中略)
さて、ここまで立方体系の読みに関して様々なアプローチで説明してきました。おさらいしてみましょう。
STEP1:読みを実施しやすくなる環境を整える
STEP2:その場所にそのパーツがその向きで存在しているということは、相方がどのような向きであろうとも、必ず今の位置のまま処理することができる(または必ず持ち替えるので、それを見越した持ち替えがしやすいような指の位置の準備をすることができる)
STEP3:事前に考えておける部分を徹底的に考えておくことで、実戦でより深い領域まで読めるようになる
STEP4:読みの効果を最大限発揮できるように指使いを増やす
STEP5:自分の読みを信じ抜く
これらを念頭に置きつつ、一旦読みのことは忘れて少しメガミンクスの世界に触れてみましょう。
例えばこんな形。

これは3×3でもよく見る形なので、(U R U' R')×2でI型を作ってなんちゃら…とか考えましたかね。
しかし、この配置の場合はクロスを気にする必要が無いので正しくはU R2 U2' F' R2' Fです。
どうです?別ゲーが始まったでしょう?面白くなってきました。
え?「トリプルセクシーの形で、コーナーを逃してエッジを逆向きにして、向こう側でペアを作るなんてやった事ないよ!咄嗟に出てこないよ!」って?
いやいや、何を言っているんですか。
じゃあ、このパターンはどう処理しますか?

R' U2' R2 U R'でしょう?
ほら、やったことあるじゃないですか。
右側を自由に使える以上、向きなんて大した問題ではないんです。
そしてこれを知っておくことで、その他のパターンにも拡張させることができます。

F U R2 U2' R' U' F'

F' U R2 U2' R2' F (z'してトリプルセクシーでも良い)
などなど。
次はこちら。

3と同じように、U R U' R' U' R U' R'…とか考えていますか?
だってクロスを気にしなくて良いので、R' U' R U' R'でI化できますもんね。
しかし、これでもまだ不十分です。
これはR' U' F' R' F が正解となります。

↑こいつ
「U' R bR U R' してz'持ち替えて、U R U' R' U' R U' R' U R U' R' します」
ということで、メガミンクスがいかに自由度の高い種目なのか分かりましたでしょうか。さらに、いかに事前勉強が大事な種目なのかも分かっていただけましたでしょうか。
クロスを無視すると、予想より格段に少ない手数でペアリング可能になるというメガの常識を頭に流し込んでくださいね。
続いては皆様が最も知りたいであろう、「遠くのパーツをペアリングする時、どういう考え方をしているか」についての話です。
まずはこちら。

このパターンを考えるとき、とりあえずT型にしたいので黄色をここに持ってきたいな!と考えるわけです。

そのためには、bL'2 bR' で持ってくる必要があるわけですね。
(一応その後を書いておくと、R F' U R' F です。)
こういう感じに持ち替えてU2' R'と回すと考えると分かりやすいと思います。(僕はここまで大げさに持ち替えないですが、イメージとしてはこんな感じです。)

続いて、EOが反転しただけのこちら。

これは、bL' を1手回すだけで黄色が上に来ることが分かると思います。
よって、この場合は U' bL' とすることでT型を作ることができました。
(まあ実は、これの最短は bL'2 (F' bR'2 同時回し) U2' R2' F なんですけどね。やらなくて良いと思います)
続いてはこんな配置の場合。

エッジが右側にある場合は、自分はこれを作るイメージでやっています。

この配置は青黄スロットならF' R2' F、黄紫スロットならF R' U F' で入れることができる優秀な配置です。
よってこの場合はbL'2 R'(同時回し) UでI型を作ることができます。
そういえば誰か忘れましたがこれをR U2' R' R2' F' R F って掬い上げて入れていた人がいました。
今すぐR U2' F' R2' F に矯正してください。

ではEOが逆になったこちら。

EOが逆になっている場合は、自分はこれを作るイメージでやっています。

この配置は青黄スロットならz' R U' R' (F' U' R' F
よってこの場合はbL' R2(同時回し) U2' で手前にI型を作ることができます。
ということで、どんなに遠くに離れていようとも結局はIT化しているだけなんですね。そうです、IT化しないと入れられません。
コーナーを基準に狙い撃ちするなら「T型を作成する向きにあの色が来たら嬉しいな」、エッジを基準にするなら「とりあえず白を上向きになるように持ってくればなんとかなるな」と意識するだけで、ペアリングの質は一気に上がると思います。(自分はこれを「勝ちパターン」と呼んでいます。)
それにプラスして、我々レベルになると魔法のペアリングを色々知っているので、勝ちパターンを膨大に持っています。
例えばこれは普通のスレッジハンマー(R' F R F')でペアリングできるので、

これはF R' F R F' U F'ということになる(y' R U R' U F' U' Fでも良い)し、

これはスレッジハンマーの1手目をすでにやってくれているF R F' ということになるので、

これはF2 R F' U F' ということが分かったり(R2 y' R' F R F' R U' R'でも良い )、

「なんでこんなとこに埋まってるんだよ!クソが!」という感じなのをF R F' で救出することができたりします。

STEP2も組み込んだ話をします。
一つ前(あるいはもっと前)のペアリング等をしている時に、黄紫スロット内にその色のコーナーパーツが埋まり込んでいることを発見したとしましょう。
黄紫エッジは後から引っ張ってくるとして、確定で以下の6つのどれかのパターンになるはずです。

F U2' R U' R' U2 F'

F R2 U2' R' U F'

F R U' R U2' F'

F U2' R U R' U2 F'

F R U2' R' U F'

F U' R U2 F'
この6パターンを覚えておけば、コーナーが埋まり込んでいた瞬間に必ず黄正面のまま処理できるということです。
普通のF2LのEOは完璧に理解しているはずの皆様でも少し混乱したかもしれませんが、最初にFをかましてFLスロットに入れる動きなので、この場合は黄エッジが下側になっている方がEOが合っています。
前半の三つは紫エッジが下になっておりEOが合っていないので、UFの位置に持ってきてFでEOを合わせています。一方、後半の三つは既にEOが合っているのでFで巻き込まないように、URの位置に置いています。
「咄嗟にどっちなのか分からないよ!」という方には僕の発明した一撃で覚えられる方法を伝授します。

例えばこんな場合。このままR' Uと最短距離で持ってくると黄センターと紫エッジがくっつく位置に来るので、
「色が違うんだね〜〜」
「今からおじさんがFしてEO合わせてあげるからね〜」
となるので(?)、UFの位置に持ってきてFで巻き込みとなります。
逆に黄エッジだった場合は、
「色が合ってるね〜〜」
「おじさんのFに巻き込まれないようにどいててね〜」
となるので(?)、URの位置に置いておきます。
(ちなみに私は、ガチで脳内で「おじさんがEOを合わせてあげるからね〜」と言っています。0.2秒くらい)
(回している瞬間はもう次のパーツを見ています。)
え?「そもそも黄紫スロットをFRに持ってきておけばこんなことをしなくて済むじゃん」って?
いやいや、普段3をソルブする時にFRスロットをできるだけ埋めないようにするのはパーツを読みやすくするためでしょう。3×3の基本ですよ。それと同じです。
はい、復唱。
STEP1:読みを実施しやすくなる環境を整える
STEP3:事前に考えておける部分を徹底的に考えておくことで、実戦でより深い領域まで読めるようになる
これらを事前にしっかり考えておいたことにより、「あそこに黄紫コーナーが埋まってるのを覚えてるから、エッジさえ持って来てFすれば必ず黄正面で処理できるぞ」「右側が見やすいので、次のパーツも探しやすくなって戦略も立てやすくなるぞ」「次のペアリングは親指下側から始まるからそれを見越した持ち替えをして」…と、相乗効果で読みの連鎖が繋がっていきます。
もちろん、正面からやった方が良い場合もあります。
・右側(今回の場合は青や黄色周辺)の景色をパッと見てパーツが見当たらないので、紫正面にして左側の景色を見たい場合
・まだ入れていないスロットが左側の一つ(今回の場合は紫緑)だけで、パーツも近くにあることが分かっている場合
・(S2Lの最初が青の場合)最後が赤緑スロットになった時は、青周辺から開始したいのでy'持ち替えして普通の処理をする場合がある。(下画像参照)


配置はもちろんのこと、残りスロットの状況、さらにどの色であるかまで考えて最適な対応を考えています。
ソルブの瞬間に考えるのは大変ですが、これも今のうちに考えておけば良いのです。
3のパートでも書きましたが、これらのペアリングをスムーズに実現するにはミハエルトリガーやダブルトリガーが必須です。STEP4を思い出しましょう。
(S2L:略)




