さむぶろぐ

ルービックキューブが好きな社会人が日常生活、たまにキューブについての記事を書くブログ

どうもお久しぶりです、京大スピードキューブサークルKUbers非目隠し競技部門所属の佐村健人と申します、界隈では通称Sumと呼ばれています。

さてこんなタイトルの記事なんですけどまあある人のブログ読んで「僕も自分語りしたーい!!」って思ったわけでして何年も前のことを思い出しながらダラダラと書いていきます。記憶にはあんまり自信が無いですが。

あまり気分の良くないことも書くかもしれません、人間は嫌なことの方が記憶に鮮明に残りやすいので。

幼少期の恥ずかしい記憶が突然フラッシュバックして叫びたくなることありません?僕はあります。

話が脱線しました。では行きましょう。



1. 幼稚園年長

うーんタイトルに「丸七年」と書いておきながら突然十六年前の話。


幼稚園の友達ってなんか家族ぐるみの付き合いになることって多くないですか?毎日迎えに来てもらって顔合わせするからですかね。そんな友人の一人、たかひろ君(たぶん合ってる。自信無い。苗字は一切覚えてない。枯れ葉をちぎって料理に見立てるおままごとが好きな奴だった。小学校に上がってからは一回も会ってない。幼稚園なんてそんなもん)の家に行ったときに事件は起こりました。テーブルの上に揃ったルービックキューブ(初めて見た)が置いてあったので手に取って勝手に混ぜ混ぜしてしまいました。

で、揃えようとしても全く揃わない。まさにスクランブル(緊急事態)ってわけですわ。ははは。なにわろてんねん

でもここで自慢しておきたいんですけど、その時が初見だったキューブ、完全一面までは揃ったんですよね。(さすがに青完全一面だったかは覚えてない)
たぶんあの時点でセンターの位置関係は変化しないことらへんは理解できていたような気が…(以下イキリオタクの独白)

で、救世主たかひろ母現る。解法は分かりませんがたぶん一分ぐらいで揃えてた気がします。(時間については全然自信ない)


僕と母はほえーってアホ面しながらその様子を眺めていました。

特に明確なオチもないままキューブとの初邂逅についての話は終わり。関西人すぐ話にオチ求める悪いクセ


2. 中学二年生

東京からの引っ越し(元々関西人ではなかったことがバレる)、中学受験失敗(ここで灘中に合格していたら高校時代のHATAMURAさんに会えていたかもしれない)などいろいろあって話は八年吹っ飛びます。

誰も知らない滑り止め中高一貫校の中学二年生になった僕はキューブなど一切触らずに化学部に所属していましたが、同期の奴に誘われて数学研究同好会(以下数研)を発足させました。記念すべき第一回活動は「定規とコンパスだけで正十七角形を作図する」でした。ガウスすごい

数研の活動テーマは毎週手探りでしたが顧問の数学教師(この人はさすがに中高六年間世話になりまくったのでフルネーム覚えてる。40を過ぎてなおプリキュアを見ている人だった。酒もタバコもやらないのに妻と娘に嫌われていて家に居場所がなく、土日でもいつも職員室にいる人だった。)がeの導出とか中学数学だけで解ける東大入試とかやってましたね。中二に何やらせとんねん…

で、僕もテーマ探しのために図書館の数学コーナーを探していたら見つけてしまいました。






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(ちょっとこれ以上の解像度無かった、許して)


そして僕はたかひろ君のお母さんのことを数年ぶりに思い出しました。あの時見せられた超絶技巧を今こそ身に付ける時である、そうに違いない!僕は将来肩幅が倍くらいになりそうな表紙の世界チャンピオンにそう誓いました。







で、次の休みに住吉のトイザらス(もう潰れた)でメガハウスのルービックキューブを買いました。正六角柱のケースに入ってて正三角形の台乗せられるやつです。


ここでバカなのが、中に入っていた六面攻略書でツクダ式を覚えてからあの本に移行すべきだと判断したことです。 僕って割と慎重派なの。


だって「世界チャンピオンの秘密テクニック」でっせ?そんなんすぐ身に付くわけ無さそうでしょ?


ということでその日のうちに攻略書を読みながら完成させました。青完全一面から白完全二面という順番ですね。 

初めて揃えた感想は「こんなもんか」っていう淡白なものでした。

白コーナー揃うまで同じことさせられて、白エッジを一個づつ入れていくだけ。事務作業めいた流れに少し微妙な気持ちになりましたが、上手な指の使い方とかでタイムは大きく縮むはずと考えて1ヶ月間はツクダ式で練習し続けました。

なんとしてもマザー・たかひろ(推定記録一分)を超えてみせるという気持ちでしたね。(今の僕にとっての棟梁さん的立ち位置に置いてました。大げさ)


そして中二の11月、遂にsingle Sub60を出したのです…!!






ここハンカチ出すとこよ。






はい!ということで激寒自分語り記事その①はここまで!なんとこんだけ文字数使ってまだツクダでSub60しかしてないぜ!それにしても自分についての記事って当たり前だけど自分のことだからスラスラ書けるなあ。4とか5はキューブ自体が自分で自分についての記事を書いてくれ。




さて次回はいかにして今の速さまで到達したのかという一大スペクタクルの予定ですのでよしなに。ではその②でお会いしましょう、さようなら〜

さて、改めて皆さんに嬉しい報告がございます。




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神戸大会2018にて、3×3目隠し初成功、公式記録を残すことができました!!!



さて、あれほどまでにBLDを嫌がっていた僕がどうやって公式大会での成功にまで至ったのか、今回はそんな記事でございます。単なる思いつき


そもそも3BLDとは、
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①まずはキューブの配置を確認して記憶します。

iJz-uTcP
②記憶が終わったら目隠しを装着し…

SBfXpxGU

③ソルブ中に不正が無いようにジャッジに隠されて…

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④成功したら椅子を吹っ飛ばす勢いで喜ぶ。

この一連の動作の合計時間で競います。上記の通り僕の記録は6:22.00。ちなみに日本記録は22.30秒なので5分59秒70遅いですね。17倍かかってますね。


まあ1分切るのはかなりの練習と事前準備が必要ですけど、小さな国内大会の制限時間(10分)なら誰でも切ることが出来ます。


さて、昨今の技術革新により、3BLDはほとんど考えずに解くことが出来るようになりました。覚えるのはM列の特別手順(4つぐらい)と各自の基準面とナンバリングのみです。


ではまず、僕の基準面とナンバリング紹介から。

僕の基準面は緑Uで白Fです。理由は3をソルブする時に僕が青クロスだからです。何万回も青色を下にして解いてきたので、コーナーに青ステッカーがあった瞬間にその対応するひらがなが全体の下半分にあると本能的に察知できると思ったからです。(実際はそんなでもなかったけどこういうのは気持ちが大事。)白をFにしたのは何万回もスクランブルするときに自然と白と緑が見えるようにキューブを持ち替えるからです。(実際はそんなでも(以下略))

ナンバリングはU面からF,L,B,R,Dの順番にあ〜は行、エッジは上側から時計回り、コーナーは右上から時計回りです。つまり僕の基準面とナンバリングの場合、緑黄色エッジの黄色ステッカーは「た」、青赤白コーナーの青コーナーは「へ」となります。


さて次に現代BLDerの誰もが通る道、M2OP法の説明です。僕もこれで解きました。(ULB buffer,DFbuffer)

コーナーを揃えるOP法の基本となる動きは
R U’ R’ U’ R U R’ F’ R U R’ U’ R’ F Rです。まずはこの手順を回してみましょう。コーナーの「え」と「ぬ」のステッカーが入れ替わっていますね?エッジの「さ」と「た」の入れ替わりは一旦スルーしてください。

実はこの基本動作をFセットアップした手順、F R U’ R’ U’ R U R’ F’ R U R’ U’ R’ F R F'はただのY-permです。これはコーナーの「え」と「い」の交換と捉えられます。

次。D2 F' R U’ R’ U’ R U R’ F’ R U R’ U’ R’ F R F D2 を実行すると…「え」と「ひ」が交換されました。

もう分かったと思います。コーナーの分析と実行の手順は、「え」の位置にあるステッカーが本当はどの位置にあるのかを分析し、正しいセットアップで「ぬ」の位置に持って来ることの繰り返しなのです。本当は別の位置にあるはずのコーナーが「え」の位置にあるということは…?そう、別の位置のコーナーにはまた別のコーナーが入ってしまっているのです。それを毎回毎回「え」の場所に引きずり出して正しい場所にぶち込むことの繰り返しなのです。僕はケーニヒスベルクの橋とマージソートを想像しました。(そんなに良い例えでもないので調べなくていいです。)




(M2法と奇数の場合などの説明…coming soon!!)


正直、cube voyageの記事をちゃんと見てみたらめっちゃ丁寧な解説だったので、これで家でも成功しないのはただやる気が無いだけですね。出来ない自分に酔っている。僕がそうだったので間違いない。

それでは実際に神戸大会で僕が成功させたスクランブルを入手したので解いてみましょう。


scramble: B2 R D2 F2 L2 B2 R D2 U2 R U R B' R F2 U' B U B2 Uw2


コーナー: へすぬかあ/うにう

エッジ:  ううにいひ/あけねた/えへさ 

どっちも偶数なので分析は正しいっぽいですね。LBエッジがすでに入っているのでループが一周なら10文字、それ+ループの途切れた回数が二回なので12文字となります。ループが切れた時は基本的に残ってるパーツの中からひらがなが若い順に次のループを開始するようにしています。覚えやすい言葉になるときはその規則に当てはまらないこともあります。(「…はさ」でループが終わったときにFLDコーナーが残っていたので「く」、「し」、「へ」の中から普通なら「く」を採用するけど『あっ、「馬刺し」って覚えやすいじゃん、今回は「し」にするか!』みたいなことがあったので)

コーナーの記憶: 「ペス」(僕の好きな漫画に出てくる犬。顔も浮かぶ。)が「」の中に顔を突っ込んでるので『「」、糠の中に隠しておいたとっておきの「ウニ」見つかって食われないだろうな…?』で、見つかって「(うめき声)」 

で、エッジは12文字の羅列を忘れないように何十回も頭の中で言い直してました。レターペアなんて洒落たものは用意していないので。 僕のように練習回数が圧倒的に少ないとひらがなを間違えることもあるので上記の文字列に到達するのに一分半ぐらいかかったと思います。


実行はエッジからです。頭から消えないように実行中は復唱し続けていました。


僕はタイムを一切求めていないので、エッジが終わった時点でまだコーナーの文字列を覚えてれば、その時点で90%勝利といえました。今回の場合は犬の名前だけ一瞬忘れかけたけどあとのストーリーはすぐに思い出しました。勝手にウニ食われて悲しくなりながら実行してました。


まあセットアップ戻しに失敗することもたまにあるし、成功してるかは五分五分かなーというテンションでした。

まあ何はともあれ成功して本当によかったです。たぶん3分切りぐらいならできそうなので少しは家でも練習しようかなーと思います。

みんな、良いYau methodライフ、送ってるかい?クリスマスイブにSumタさんからのプレゼントを持って来たぜ!!!!







なにこれ 


この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2017 24日目の企画として書かれたものです。

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さて、DLCとはdownload contentsの略で、以前に配信、発売されたゲームなどに後から追加で新ステージや衣装をダウンロードできるシステムのことで、要は追加コンテンツのことです。この記事は昨年書かれた記事である
4×4 Yau method エッジ上級編(とおまけ)
を補足する内容となっています。この記事を読む前に昨年の記事を一通り読んでおくことをオススメします。




ここで一つ謝罪を。

去年「他の編は作らない」と書いたのに今年実践編を書いてしまい、申し訳ありませんでした!!!!!!


(なんか勢いで今年もアドカレ申し込んじゃったんで…でも僕には4の記事しか書けないのでこうなった)





とりあえずここに書かれているテクニックを自分のものにすればSub40も見えてくるはずです。



「使えそうだな」と思ったら使ってください。とても喜びます。





えー、L8Eは去年やったのでクロスエッジと3パートですね。行ってみよう!

クロスエッジはなんかもう言いたいことを書いて説明できる気がしないのでとりあえず動画にしました。↓






異位置クロスエッジだとどこが異位置なのかを確認した上でそこを追い出さなければならないのに対して、正位置なら空いた場所にラストクロスエッジを入れるだけなのでこっちの方が良いです。センターが揃ったままなら180°の位置にある場合にワープさせることができたり、セットアップを簡潔に済ませたりすることが出来るのも動画で説明した通りです。

L8E

これも動画で。↓

8を作る足し算は去年も説明した通りなので少しの補足しかしませんが、残り7エッジなら
3-4(3点交換-2点交換の複合型。昨年のに動画あり。)または3-4(2点交換×2の同時処理。昨年のに動画あり。)または4-3(最後に3点交換だけが残るのでちょっと嬉しいが三つともU面に残ってしまうのでちょっと嬉しくない。)が主な出現パターンなのに対して
6エッジなら3-3(3点交換。嬉しい。)または4-2(2点交換はU面のまま処理できる。嬉しい。昨年のに動画あり。)が主な出現パターンということになります。まあ8エッジより7、7より6の方が嬉しいので積極的にくっついてるエッジは残したり作ったりしていきましょう。ただし、ラストクロスエッジを揃えている間にそのペアが読めていた場合に限ります。つまりその時点でまだD面に目を向けていた場合、すでに半分くらい負けているとも言えます。



(言い過ぎた)

それよりも昨年のアドカレで僕が解法的にやらかしたと思うのが最初をUwにするって所なんですよね…


右利きの場合は最初をUw'にしたほうが良さそうだということに気付いてしまったので今はどっちでも出来るように練習しています。Uwにすることでエッジがくっつく場合などはUwでやりましょう。昨年から大幅改良した部分は無いです。

(2019/3/15追記: はい、すがまさんによるとUwの方がいいみたいですね。あー良かった良かった。(これを参考にして変えた人ごめんなさい、でもどっちもできるに越したことはないのは事実))

3パート
3パートのOLL、どうしてますか?3Rw回しにくくありませんか?M列引っかかったりしてませんか?
特に5以上の多分割で3と同じOLLを回していると非常に回しにくいパターンに遭遇すると思います。

僕も手順を覚えるのは大嫌いですが「Fw R U R' U' Fw'はU2 F U R U' R' F'、Fw U R U' R' Fw'はU2 F R U' R' F'で代用できる」程度の小賢しい知識ではまかないきれなかったので4用に2つOLLを覚えたりPLLを変更したりしました。その一部を紹介します。


「元々こっち使ってるわ!」というのは読み飛ばし、知らない手順があった場合は是非足を止めて見てみてくださいね。


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R' F R U R' F' R F U' F'  or  R' F R U R' F' R y' R U' R'
最後のスロットインを持ち替えるかの違いですけどまあF U' F' のスロットインをスムーズに回す練習しておくと多分いいことありますよ。多分。

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 R' F R U R' U' F' R U' R' U2 R(僕は3でもこれをメインにしてるんですけど141票中5票しか無かった)


っていうか、このタイプのL字型のOLL(OLL13,14,15,16の四つ)、このパターンだけメインの手順がy2の向きなのおかしくないですか?一つしか手順を覚えないのだったらここ統一した方が絶対良いと思うんですけど。


手数長い?まあそうかも。



この二つはalgdb先生にも載っていなかったです(追記:最近いろいろ変わった投票式のになってからは載ってました)。
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F U R U' R' F' U2 R' U' R' F R F' U R(6手OLLからのコの字OLL)

僕は3でもこれしか使ってないです(さすがに3では前半をFw R U R' U' Fw'にしてます)

M列?使った事さえない(それはそれで問題)。

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F R U R' U' F' U' R U2 R' U' R U' R' (6手OLLからのantisune)

CP判断しやすいんですかね?僕はできないけど()


PLLはR2' F2 R U2 R U2 R U2' R' F R U R' U' R' F R2(有名なG-permc。)とかR U R' U R' U' R F' R U R' U' R' F R2 U' R2 U R (E-perm。sexy3回より好き)とか。Aosu GTSMめちゃんこ回しやすかったしアレなら普通にD使っても良さそうなんだよなあ。

alg.cubing.net/?setup=x_R2-_F…


alg.cubing.net/?setup=x&alg=R…
 

(このサイト楽しすぎて一生遊べる)




そして恒例、これに載っていないOP+OLL同時処理手順の紹介。COLLを覚えていない人の方が役に立つかもしれません。

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(F U R U' R' F') OP手順A 

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(F R U R' U' F') OP手順A
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(F U R U' R' F' ) U2 OP手順A
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(F' U' L' U L F) U2 OP手順A

OP手順Bを使ってる人はまあ別の手順使って頑張ってください。

(関係ないけどぼやげのOP+OLL手順記事、考案者がうえしゅうさんだから日本配色なんですかね)


最後に今後取り入れていきたい概念を一つ紹介して終わります。↓







〜あとがき〜

豪華二本立て記事、いかがだったでしょうか?すぐに使えるテクニックもあり、一生使わないようなアイデアもあり、 昨年よりさらに読者を置き去りにしたクソ記事が完成した気がしています。キューブは成長しても日本語は成長しませんねえ…。

4×4キューブは作業工程量が絶妙でいろいろな工夫で速くなる競技だと思っています。パリティに対していかに運命に逆らおうとするか、そのあたりも僕が4を好きな理由です。明日はいよいよゆーきさんによる最終日、アドカレの総集編についての記事らしいです!楽しみですね。それではまた次回の記事でお会いしましょう。

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