さむぶろぐ

ルービックキューブが好きな社会人が日常生活、たまにキューブについての記事を書くブログ

人間は、とにかく確率論に弱い。



(表裏の出る割合が半々の)コインを投げて9連続表が出たとしても次に表が出る確率は50%であるし、ランダムにサイコロを投げて3連続で1が出ても別に1/216の奇跡というわけではない。(3,1,6と出る確率も4,4,1と出る確率も全てが1/216なので)


降水確率10%で傘を持たずに出かけたら雨に降られて天気予報に文句を言うのは筋違いだし、SSR排出率1%のガチャを100連回したところで必ずしもSSRが引けるわけでもない。


というわけでアドカレ以来となる本日の記事のテーマは「確率論」です。よろしくお願いします。





さて、巷ではウイルスがバズっているので確率論に絡めたウイルス感染検査問題を紹介します。




「あなたは1万人に一人の確率で感染者が存在するウイルスの感染検査を受けることになった。この検査の精度は99%。あなたがこの検査を受けた結果、なんと陽性であった。さて、あなたが本当に感染している確率はどのくらいだろうか?」





高校生の気持ちに戻って解説します。


まあここに書いてある通りなのですが…100万人が検査をしたとして「陽性」と判断されるのは9999(陰性の999900人のうち1%が誤って判定される)+99(陽性の100人のうち99%が正しく判定される)=10098人なのであなたの感染率は1%未満であるということです。





99%の精度でもこんなことになるのだから、現在行われている検査がどんなことになるかもうお分かりですね?通常の検査ならウイルスが十分に殖えるまで72時間待機したりしますが現在のPCR検査では大幅に短縮したりしているそうです(技術の進歩と言われればそれまでですが)。


「陰性」と判断されようとも体調が悪ければ自宅待機しなければいけないことに変わりはなく、「陽性」だろうとも別にワクチンも存在しないのだから確実な治療法があるわけでもありません(一応完全隔離みたいなことにはなるけど)。ベッドも人手も確実性も何も足りない、検査などしない理由ならいくらでも挙げられます。



7年前の時点で大規模ウイルス感染の検査をいちいち受けることの愚かさに気づいていた僕を褒めてくれていいんですよ







話は突然安っぽい話に戻りますが、どの宝くじ売り場から1等が出るかは完全ランダムなので過去に1等が出たことは全く関係ないのですが、人間の感覚的に(ここはもう出たことあるのか…じゃあここで買うのはやめとくか)となるのではないでしょうか?つまり宝くじ売り場は



「この売り場は1等、2等が一度も出たことありません!おすすめですよ!」 


「この売り場では1等が二度も出たことありますが確率論的には独立な事象なのでどこで買おうとも関係ありませんよ!だから買いましょう!」


 
と宣伝すべきだと思います。日本宝くじ協会さん、参考にしてはいかがでしょうか?






ところでYouTuber始めました。ふざけたことやってるので良ければ見ていってください。





 

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2019 24日目の記事です。


昨日の記事はみねぼ君の「そのF2L、捨てませんか?」でした。

明日は最終日、Yuukiさんの「なんかかく」です。




初めましての方は初めまして、久しぶりの方はお久しぶりです。ブログで生計を立てている美少女キューバー、佐村健人と申します。



僕がスピードキューブを始めたのは2015年5月、大学一回生の時のことです。そしてその7ヶ月後、様々な種目の第一人者たちが自分の知識や経験、技術などを公開してくれるこの企画をとても楽しく読ませていただき、自分も何か書けることが身に付けば来年は書いてみようかなと思いました。


そして一年後さらに一年後そのまた一年後と様々な観点から開眼4についての記事を書いてきました。割と読者も多いようでありがたい話です。ズエさんの初心者導入記事とすがまさんの上級者向け記事、そしてさじーさんの非常に実践的な今年のアドカレと合わせてだいたい国内の4の整備は完成したと言えるのではないでしょうか。そして僕個人もまあまあな公式タイムを残したので記事の正当性も上がることでしょう。(これは何も冗談ではなく、内容を書き換えていなくとも筆者が速くなることで記事の内容は自動的に"正しく"なっていくのです。)


もう4について僕が書けることは細かいtipsぐらいしか残されておらず、正直内緒にしたいので,一つの記事に足るボリュームに膨らませるには限界があると判断しました。そんなわけで今年は例年と全く違う内容と、ただのブログ記事も書きました。開眼にあまり興味が無い人も暇つぶしだと思って読んでくれれば幸いです。量は増やして質は落ちてます




自分の意見を正しく伝える文章を書くのはとても大変ですが、だからこそとても楽しいです。スピードキューブと同じくらい。だから僕はスピードキューブについての文章を書くこの企画が好きです。カツカレーみたいなもんだし(雰囲気台無し)。


おそらく今年が僕の最後のアドカレ参戦となります。こんなこと言って「割と仕事楽だったわ〜ww」とか言ってる可能性はありますがまあ無いと思います(そもそも書くことが無い)。

僕のこれまでのキューブ人生はだいたい伝えました。次はあなたが某日の主役になる番です。僕にあなたのことを教えてください。まあ来年もこの企画が行われると決まったわけではないですが。







〜〜〜お品書き〜〜〜




① 佐村健人の2019年公式大会まとめ

私、佐村健人が今年出場した9(4日後の広島大会を含めれば10)大会の結果と雑な感想を詰め合わせた一品。
FMCも開眼競技も行わないお客様の暇つぶし、またはメインの前菜にどうぞ。




Ao5 8.806 解説&思考過程+α 〜おまけソルブを添えて〜

なんか平均Sub9の動画が撮れたので一体どんなことを考えてソルブしたのか、上手かったところ、ダメだったところ、おまけソルブの解説を主にF2L中心に行った一品。

真面目に読み込まずに赤茶色の手順を覚えるだけでも良し、alg.cubing.netで遊ぶだけでも良し、おまけの神ソルブだけ回してみるも良し。お好きなお召し上がり方でどうぞ。
(ソルブってソルベに似てて一瞬見間違えるよね(いいえ??))



③ 6Yau L8E変えてみた(4×4&5×5 pairingの紹介)

おそらく日本で自分ぐらいしか使用していないであろう6Yauの新たなエッジセット、「4×4&5×5 pairing」について紹介した一品。

リダクションでは絶対不可能な方法となっていますが6を解く方はぜひお召し上がりください。 



Nemesisを無くそう〜新時代の幕開けを祝って〜


皆さま、「Nemesis」 という言葉をご存知でしょうか?この言葉とそれに非常に関わりの深い「Sum of Ranks」を絡めて紹介した非常にコンパクトな一品。


2020年、ついにその牙城は崩される。 
 

キューブ界隈には様々なつよつよ選手が存在しています。アイデンティティを確立しようにもNRは到底無理だし、超々多分割の人だったりZBLLの人だったりもすでに存在してるし…


そんなあなた、「Nemesis」を無くしてみませんか?


Nemesisとは「全ての競技の単発平均が自分よりも速いタイム(または少ない手数、多い個数)の人」のことです。ここに自分のWCAIDを打ち込むと調べることができます。   複数形はNemeses






世界に目を向けてしまうと化け物が何人か存在しているのでNemesisが存在しない日本人は一級品の選手に限られてしまいます。






なのでまずは日本国内でNemesisをゼロにしてみましょう。今回はあなたのNemesisゼロ計画を阻む最強の日本人キューバー8人を紹介します。





① 田中 隆喜選手

スクリーンショット 2019-12-12 12.27.49

ついにNRを獲得できて本当におめでとう。そんな彼は有名な全種目erであり、彼の記録を抜かすのはそれなりの努力が必要です。しかし一競技に絞ればそこまで厳しくはないでしょう。


狙い目はピラミンクスやスキューブなので練習して彼をNemesisから引きずり下ろそう。



② 矢内 拓選手

スクリーンショット 2019-12-12 12.39.14

最強のBLDerの一人であるのはもちろんのこと、やると決めた競技は結果を出すまでやり抜くタイプの選手であり、BLD系以外の競技も抜かすのは容易とは言えません。


弱点は6×6、7×7ですが5のタイムから考えても更新するのは確実でしょう。今のうちに抜かしておくことをお勧めします。






③ 端村 航選手
スクリーンショット 2019-12-12 12.46.18

元Sum of Ranks NR2の実力は半端ではなく生半可な練習では到達できないでしょう。僕も大学に入学した当初は(こんなん一つも抜かせる気がしない…)と思ったものです。


ただ最大の弱点として4BLD、5BLD、MBLDの記録を保持していないため、Nemesisブロッカーとしての役割を踏まえてこの位置で紹介しました。
 






④ 高木 佑平選手

スクリーンショット 2019-12-12 19.17.51


足と片手が特に強いですが、BLD系も2013年頃までNRを連発していました。今確認したけど4と5以外ほとんど勝ってねーや…。

弱点ですが、強いて言うならスキューブの単発などでしょうか。強いて言うならですが。





基本的に強い人をNemesisから外すには単発パンチでなんとかしましょう。(最低のアドバイス)


⑤ 小林 知広選手
スクリーンショット 2019-12-23 23.31.59


なんなんだこの選手は。多分割、少分割、FMC、全てにおいて隙が無い。(僕も5で抜き返されたので4以外全敗です、ツライ)


唯一にして最大の弱点がMBLDです。2/2で抜かせるので頑張りましょう。(これ以外はちょっと無理でしょ)


⑥ 中島 悠選手

 スクリーンショット 2019-12-12 13.11.58

言わずと知れた最強のキューバー。最後に大会に出たのが2015年であるにも関わらず未だに頂点に君臨し続けています。そのあまりの難攻不落さから賞賛の意味を込めて「Nakaji数(中島選手の記録をいくつ抜かしているかを示した数。僕のNakaji数は4単発平均、5平均、6単発で4)」という言葉まで生まれ、その競技をしっかりやりこんだ指標として用いられています。


一番の狙い目はピラミンクス単発です。それ以外だと超多分割のハードの進化によってNRが徐々に下がっているのでそのあたりでしょうか。(僕の独断と偏見による)


⑦ 上野 柊斗選手


スクリーンショット 2019-12-12 13.27.15

Sum of Ranks日本2位ですが2020年に足が廃止されることで中島選手を抜かすことが確定しています。いやほんまなんもかてねえ…(僕は4単発と6単発だけですがたぶん関西大会で6は殺される)


弱点?見たら分かる通りそんなもんないです。強いて言うならクロックとかで、それ以外ならかなり頑張って3BLDか5BLDで抜かすとかでしょうか。無理




⑧ 洲鎌 星選手

スクリーンショット 2019-12-12 13.35.48

Sum of Ranks日本3位ですが足廃止によって現状のままだと中島選手と上野選手を抜かしてNR1が確定しています。おめでとうございます。(ミスリードでしたが洲鎌選手と上野選手の足のNRの差によって上野選手は2位のままとなります)


さて、立方体で抜かすのは不可能なので一番の狙い目は5BLDです。「よっぽどのことがない限り二度とやらない(本人談)」らしいので頑張って仕組みを覚えましょう。 






まとめですが、ただただSum of Ranks上位をピックアップしただけになりました。(そりゃそうだ)



7年間君臨していた中島さんの最後のNR(NRという表現は少し微妙なところがあるけど)がついに更新されるのは時代の流れを感じます。そんな少しの寂しさと中くらゐのめでたさを感じるおらが春にこんな記事を投稿させて頂きました。そして僕は洲鎌さんにピラ単発しか勝ってないからスゴクヤバイ。



国内で僕のNemesisがいなくなったのは今年のことです(1月に4単発で中島さんとうえしゅうさんを同時に抜かしました)。種目を絞っているので仕方ないとはいえなかなか時間がかかりました…。



NRなど到底無理で自分より優れたキューバーがたくさん存在するのは紛れもない事実ですが、「自分に全種目で完全勝利している人はいない」というだけでも界隈にほんの少しの爪痕を残した気持ちになります。ゼロは無理でも3人以下にするなど、様々な方向からキューブを楽しんでいきましょう。




最後にそんな僕の記録一覧です。

スクリーンショット 2019-12-12 13.55.10



Sum of Ranks 日本45位でした。


じゃあな!



※記事公開前にまっしゅに読んでいただきました。この場を借りて感謝します、どうもありがとうございました。 
 

このページのトップヘ