この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2017 24日目の企画として書かれたものです。
まずは報告。
4×4キューブ公式平均Sub40しました!!!!!!!!!!!!!!!
(これで記事の説得力が上がるぞ…しめしめ)
さて、昨年のアドカレにて一部のキューバーの方にご好評頂いた拙作ですが、今年はもっとパワーアップした記事を書くぞー!って意気込んだは良いんですけど割とまあここに書いてるのだけやってSub40したんですよねー…()
今見ても割と良い記事だしどうしよう、何書こうかな…
というわけで、去年のアドカレ記事を補完する新規の記事をちょちょいと書くついでに今年は全然違う記事も書くことにしました。
その内容とは、「4×4の歴史」。数多の先人たちがどのような道のりを辿って現在に至ったのか、そのあたりを紹介していきます。
もくじ
4×4 記録の歴史と変遷
4×4 解法の歴史と変遷
おまけ:現在のメンテナンス方法について
さて、2005年の世界大会で単発平均共に世界記録(54.13/1:04.63)を出して優勝したのが林祐樹さんです。現在のヤッシーさんとは別人です。
2007年時点の単発平均世界記録保持者(46.63/58.15)が有名な「元目隠し世界記録保持者」のMatyas Kutiです。「見ながら」揃えるのに不正はないのでこっちの世界記録は普通に残っています。
日本大会2008で単発世界記録(41.16)を出したのが田渕雄夢さん、そして日本大会2009で単発世界記録(39.28)を出して、同年の世界大会で優勝したのが大村周平さんです。レジェンド級ばかりだ…
さて、世界初の平均Sub40達成者は3×3の平均Sub10と同じくオーストラリアのアイツ、Feliks Zemdegsです。この人7年前にMelbourne Cube Dayの予選で平均39.73の圧倒的世界記録出したと思ったら決勝で平均35.80出してるんだけど…
世界初の平均Sub30はドイツのアイツ、Sebastian Weyer、そして当時のアジア記録保持者は日本最強のキューバー、中島悠さんです。
それからいろいろあって19.36(Faz)/23.03(Sebastian)にまで縮んでます(2017/12/24現在)。
そして僕が今年の11月に35.15/39.01を出して日本初の3平均over11のくせに4平均sub40マンになりました。感動的ですね。全米が泣きますね。ザコが頑張る話は昔からウケが良いんですよ。
涙を拭ったところで次へ。
tribox様ではひたすらエッジの二点交換だけで完成させる方法が書かれています。(これが最古の解法なんですかね?)
全くの初心者ならこれが最も覚える内容が少なくて良いと思います。スピードキューブだけが4×4ではないのだ。
おそらく2007年頃までは世界ランカーでもCube voyage様のエッジ三点交換法のみを使っていたと思いますが、その後コーラ式という、センターをずらしたままエッジセットを行って一気に三つのエッジを揃える画期的な方法が出てきました。そして2009年に生まれたのがご存知Yau method。下を見なくて良いのと3パートのクロスが無くなるというメリットはあるもののクロスエッジが崩れないように注意しながらセンターを揃えなければならないデメリットがあったので当初は混乱する人も多かったようです。
日本では2011年時点でまだほとんどコーラ式だったっぽいです。
↓田渕さんの2011年の動画。なんでコーラなのにこんなに速いんだ…
youtu.be/prv8cKK-pLc
その他にはRoux的に解くMeyer method(去年のアドカレであっきさんが記事書いてました。)、こみゅうていたというのを使う4BLDなどがあります。
そんなこんなで成長してきた解法ですが、Yau methodを習得する際にも無駄な解法、練習法がいくつか残っているのでこの場で紹介して駆逐していきたいと思います。全てこの一年で実際に僕のところに来た質問です。
• 一旦コーラ式を覚えてからYauに移行すべきであるのか?
結論から言うと一切その必要は無いです、全くの無意味です。新規キューバーは練習初日からクロスエッジに難儀しながらセンターを揃え、D面を見ることなく残りのエッジを揃えるべきです。先人たちの知恵は賢く使いましょう。
• 3つ目のクロスエッジは異位置に入れるべきか?
これはYau method開発当初は使われていましたがおそらくはやらない方が良いです。エッジ先読みへの邪魔が増えるので止まりやすくなるだけだと思います。
異位置って何?という方はこちらの動画をどうぞ↓
センターをずらしたままR' D(') Rをしても良いという利点は正直大して嬉しくないんですよね。センターが完成したままラストクロスエッジを揃える方がよっぽど嬉しい事が多いです。詳しい事はもう一つの記事で。
何か違和感があるって?よくぞ気が付きました。
今年は全ての動画を青クロスで撮らせて頂きました。
多数派の白クロス勢の圧力に屈し、少数派の青クロス勢に涙を飲んでもらう形を取った去年の記事ですが、某青クロスの人に「せっかくSumさんと同じ青クロスなのにいちいち白から変換して考えないといけないのがつらかった」と言われて猛省しました。
今年は白クロスに涙を飲んでもらう。ざまあみやがれwww
では次。
• パート別に練習するのは効果的?
そうでもないですね。OPだけ回すとかは別として4×4のように短時間に様々なパートが襲いかかる競技はパートの繋がりこそが大事なのでそれをぶつ切りにする練習はあんまり意味が無いと思います。一回一分程度なのだから全行程やっちゃおうぜ!
…と、偉そうなことを言いまくってこの章は終わり。
昔はあるキューブに別のキューブのバネを入れたりして細かい調整をする人もいたようですが今はそこまでする必要はありません。
「バネmod」をしてみましょう。バネmodとはネジを緩めるのに頼らず、面の回転自体を軽くする方法です。方法はネジを外してバネを取り出し、指などでほんの少し縮めるだけ。これを6面全てでやります。本当に少し縮めるだけで良いです。やりすぎると回転が軽くなりすぎて制御できなくなります。これだけでアラ不思議、回転は軽いのにPOPしない、素敵な4×4の出来上がりです。(バネをいじくる際は自己責任でお願いします。)
それと分解清掃する際に全部バラして内部のコアパーツを組み立てるのに難儀してる人をたまに見ますけどあれ上半分だけバラして清掃して戻してひっくり返せばコアパーツ組み立てなくて済みますよ…
とは言ってもこういうおばあちゃんの知恵袋的なものも数年後には意味が無くなるかもしれませんね。なんせ時代は磁石だもんなあ。
こんなことができるなら全部バラしてもすぐ戻せるんですかね。磁石4持ってないから知らないですけど。柿ピーに磁石は入れられないから上下清掃法(今名付けた)はもうしばらく有用そうですね。
うーんネタが尽きた。それでは本日公開のもう一つの記事でお会いしましょう。そっちはもうちょっと真面目な記事になっていると思います。来年は公式平均Sub35が目標なので良ければ応援よろしくお願いします。
まずは報告。
4×4キューブ公式平均Sub40しました!!!!!!!!!!!!!!!
(これで記事の説得力が上がるぞ…しめしめ)
さて、昨年のアドカレにて一部のキューバーの方にご好評頂いた拙作ですが、今年はもっとパワーアップした記事を書くぞー!って意気込んだは良いんですけど割とまあここに書いてるのだけやってSub40したんですよねー…()
今見ても割と良い記事だしどうしよう、何書こうかな…
というわけで、去年のアドカレ記事を補完する新規の記事をちょちょいと書くついでに今年は全然違う記事も書くことにしました。
その内容とは、「4×4の歴史」。数多の先人たちがどのような道のりを辿って現在に至ったのか、そのあたりを紹介していきます。
もくじ
4×4 記録の歴史と変遷
4×4 解法の歴史と変遷
おまけ:現在のメンテナンス方法について
4×4 記録の歴史と変遷
4×4キューブが公式競技に初めて登場したのは2003年の世界大会です。当初は4×4も5×5もmean of 3形式でした。基本的にmo3形式の競技って「こんなん5回もやってられるかタコ!」って競技だからまあ妥当かも…。その時に単発世界記録(1:20.16)を出して、なおかつ優勝したのが前JRCA会長の秋元正行さんです。現在はJRCA顧問らしいですね。具体的に何をしているかは知らないですけど。さて、2005年の世界大会で単発平均共に世界記録(54.13/1:04.63)を出して優勝したのが林祐樹さんです。現在のヤッシーさんとは別人です。
2007年時点の単発平均世界記録保持者(46.63/58.15)が有名な「元目隠し世界記録保持者」のMatyas Kutiです。「見ながら」揃えるのに不正はないのでこっちの世界記録は普通に残っています。
日本大会2008で単発世界記録(41.16)を出したのが田渕雄夢さん、そして日本大会2009で単発世界記録(39.28)を出して、同年の世界大会で優勝したのが大村周平さんです。レジェンド級ばかりだ…
さて、世界初の平均Sub40達成者は3×3の平均Sub10と同じくオーストラリアのアイツ、Feliks Zemdegsです。この人7年前にMelbourne Cube Dayの予選で平均39.73の圧倒的世界記録出したと思ったら決勝で平均35.80出してるんだけど…
世界初の平均Sub30はドイツのアイツ、Sebastian Weyer、そして当時のアジア記録保持者は日本最強のキューバー、中島悠さんです。
それからいろいろあって19.36(Faz)/23.03(Sebastian)にまで縮んでます(2017/12/24現在)。
そして僕が今年の11月に35.15/39.01を出して日本初の3平均over11のくせに4平均sub40マンになりました。感動的ですね。全米が泣きますね。ザコが頑張る話は昔からウケが良いんですよ。
涙を拭ったところで次へ。
4×4 解法の歴史と変遷
tribox様ではひたすらエッジの二点交換だけで完成させる方法が書かれています。(これが最古の解法なんですかね?)
全くの初心者ならこれが最も覚える内容が少なくて良いと思います。スピードキューブだけが4×4ではないのだ。
おそらく2007年頃までは世界ランカーでもCube voyage様のエッジ三点交換法のみを使っていたと思いますが、その後コーラ式という、センターをずらしたままエッジセットを行って一気に三つのエッジを揃える画期的な方法が出てきました。そして2009年に生まれたのがご存知Yau method。下を見なくて良いのと3パートのクロスが無くなるというメリットはあるもののクロスエッジが崩れないように注意しながらセンターを揃えなければならないデメリットがあったので当初は混乱する人も多かったようです。
日本では2011年時点でまだほとんどコーラ式だったっぽいです。
↓田渕さんの2011年の動画。なんでコーラなのにこんなに速いんだ…
youtu.be/prv8cKK-pLc
その他にはRoux的に解くMeyer method(去年のアドカレであっきさんが記事書いてました。)、こみゅうていたというのを使う4BLDなどがあります。
そんなこんなで成長してきた解法ですが、Yau methodを習得する際にも無駄な解法、練習法がいくつか残っているのでこの場で紹介して
• 一旦コーラ式を覚えてからYauに移行すべきであるのか?
結論から言うと一切その必要は無いです、全くの無意味です。新規キューバーは練習初日からクロスエッジに難儀しながらセンターを揃え、D面を見ることなく残りのエッジを揃えるべきです。先人たちの知恵は賢く使いましょう。
• 3つ目のクロスエッジは異位置に入れるべきか?
これはYau method開発当初は使われていましたがおそらくはやらない方が良いです。エッジ先読みへの邪魔が増えるので止まりやすくなるだけだと思います。
異位置って何?という方はこちらの動画をどうぞ↓
センターをずらしたままR' D(') Rをしても良いという利点は正直大して嬉しくないんですよね。センターが完成したままラストクロスエッジを揃える方がよっぽど嬉しい事が多いです。詳しい事はもう一つの記事で。
何か違和感があるって?よくぞ気が付きました。
今年は全ての動画を青クロスで撮らせて頂きました。
多数派の白クロス勢の圧力に屈し、少数派の青クロス勢に涙を飲んでもらう形を取った去年の記事ですが、某青クロスの人に「せっかくSumさんと同じ青クロスなのにいちいち白から変換して考えないといけないのがつらかった」と言われて猛省しました。
今年は白クロスに涙を飲んでもらう。ざまあみやがれwww
では次。
• パート別に練習するのは効果的?
そうでもないですね。OPだけ回すとかは別として4×4のように短時間に様々なパートが襲いかかる競技はパートの繋がりこそが大事なのでそれをぶつ切りにする練習はあんまり意味が無いと思います。一回一分程度なのだから全行程やっちゃおうぜ!
…と、偉そうなことを言いまくってこの章は終わり。
現在のメンテナンス法について
最後にメンテナンスについて。この一年間色んな人の4を触ってきましたが、大体のキューブの回転が重い!潤滑剤とか関係無しに元々の回転が重い!昔はあるキューブに別のキューブのバネを入れたりして細かい調整をする人もいたようですが今はそこまでする必要はありません。
「バネmod」をしてみましょう。バネmodとはネジを緩めるのに頼らず、面の回転自体を軽くする方法です。方法はネジを外してバネを取り出し、指などでほんの少し縮めるだけ。これを6面全てでやります。本当に少し縮めるだけで良いです。やりすぎると回転が軽くなりすぎて制御できなくなります。これだけでアラ不思議、回転は軽いのにPOPしない、素敵な4×4の出来上がりです。(バネをいじくる際は自己責任でお願いします。)
それと分解清掃する際に全部バラして内部のコアパーツを組み立てるのに難儀してる人をたまに見ますけどあれ上半分だけバラして清掃して戻してひっくり返せばコアパーツ組み立てなくて済みますよ…
とは言ってもこういうおばあちゃんの知恵袋的なものも数年後には意味が無くなるかもしれませんね。なんせ時代は磁石だもんなあ。
こんなことができるなら全部バラしてもすぐ戻せるんですかね。磁石4持ってないから知らないですけど。柿ピーに磁石は入れられないから上下清掃法(今名付けた)はもうしばらく有用そうですね。
うーんネタが尽きた。それでは本日公開のもう一つの記事でお会いしましょう。そっちはもうちょっと真面目な記事になっていると思います。来年は公式平均Sub35が目標なので良ければ応援よろしくお願いします。
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